「ずっと前から好きです。俺を姫の彼氏にしてください」

「……え?」

 状況が読み込め、なかった。

 彼女はなんて言ったんだ?

「すまん。もう一回言ってくれないか?」

「え? お世話するから一緒に住まわせて?」

 なんで疑問形になっているんだ……。

「もう一回、聞くぞなんて言ったんだ?」

「だから大輔のお世話をするから住まわせて!」

 やっぱりさっきの言葉と変わらなかつた……。

 一緒に住む。そう彼女は言った。

「それで、どうなの? 住まないの?」

 姫は首を傾げていた。

「ダメに決まってるだろ! 一緒に住むってどうゆうことかわかるか?」

「わかるよ!」

 姫は手を胸のところに叩くとボンッと弾んでいる。

「大輔のチンチンを見るってこと」

「…………」

 おや? おかしなところがあった気がするぞ?

 ……繰り返しても彼女が変なことを言った気がするな。

「もう一回。言ってくれないか」

「私が今、履いてるストラップパンツを見られること」

 変わってないか内容が……。

「……Repeat after me」

 姫がため息を吐いていた。

「これが最後だからね。私のオッパイを見られること」

「「全部違うじゃんかよ。おい!」」

 本当だよ! 内容がどんどん過激になっているじゃないか!

 姫は首を傾げていた。

「だって住むって言ったらそうなるんだよ?」

「確かにそうだけど……。流石に姫の気持ちもあるし」

 そう、これは彼女自身だ。だから彼女自身の言葉を俺は聞きたい。

 姫がため息を吐いていた。

 そして、

「私ね。ずっと前から大輔のこと好きだよ。小さい頃から恋人になってイチャイチャしたいなって今までずっと思っていたもん」

 告白。された小さい頃から一緒だったとはいえ。今なおビックリしている。

「大輔と住めるのが私の夢!」

「ウソ……」

「本当だよ。だから様子見にも来たんだよ」

 嬉しかった。まさか本当に姫が俺のこと好きなんて。

「で? 大輔はどうなの?」

 顔を覗かしてニコッて笑っていた。

 俺も姫とは小さい頃から見ていた、無邪気に微笑む笑っている惹かれていたけど。多分姫からしたら兄貴みたいな感じがあるから恋愛対象ではないんだろうなって思っていた。だからこうして言われたことが本当に嬉しかった。

「ずっと前から好きです。俺を姫の彼氏にしてください」

「やったー! 大輔と付き合えたよ! やったー」

 子供のようにはしゃいでいたがこっちも物凄く鼓動がはやい。

 こんな年になって彼女が出来るなんて嬉しすぎる。

 年上としての威厳がなくなるほどにやけてしまう。

「じゃあ。お母さんに連絡するね」

「……はぁ!?」

 母親に知れたら幼馴染とはいえ未成年相手が付き合ってるなんておかしな話になってしまう。

「待った……」

 一足遅く姫は母親に電話し、声が聞こえた。

「お母さん? うん。様子見に行ったらね凄い汚かったの。なんか仕事が忙しんだって。……うん。それでいきなりなんだけれど大輔のアパートでお世話したいのダメ? え、うんいいの?」

 話を聞く限り大丈夫そうだった。

「……やったありがとう!」

 こっちの話しがなくどんどん進んでいく。

「お母さんが話したいって」

「え……。あぁ」

 スマホを受け取り耳元に当てた。

「もしもし?」

 すると本当に姫が二人いるかみたく同じ声が聴こえてきた。

『もしもし大輔くん? 姫の母親の玲だけど覚えているかな?』

「はい。もちろん」

 昔、姫の家に遊びに行ったりした時にケーキとかご馳走をしてくれた。玲さん。姫に似て明るく。そして……胸がデカいのは思い返してみれば遺伝なのかもしれない。

『娘がいつも大輔くんのところに行くって聞かなって一点張りでだったけれど。お仕事大変なの? 娘が少し部屋が汚いとさっき聞いて』

「あぁ……」

 上司に悪口を言われている。仕事のスペースが落ちて自堕落になっているとは言えない。

「すいませんこちらがちゃんとしていれば良かったのですが」

『あら。敬語で話されると社会人って感じでカッコいいわね。…てそれで娘がさっきお世話をしたいって言ってたけどどうかしら?』

 まさかさっき言われた後付き合ったのでよろしくお願いしますとは言えない。

「はい。こちらからもよろしく娘さんのことを大切にします」

『それじゃあよろしくね』

 電話を切りスマホを姫に渡した。

「よろしくね大輔」

 ニコッと笑い小悪魔みたいな顔をしていた。

「あぁ……よろしく」

 こうして好きな幼馴染との同棲生活が始まった。

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