「上手いなやっぱり……」
店に入りお互い頼んだラーメンが届きテーブルに運ばれた。
「味噌ラーメンと醤油ラーメンお待ち!」
おぉこれはまた旨そうな。味噌を頼んだが味噌の香りが凄い漂ってくる。
「いただきます」
「いただきます……」
お互い手を合わせ食べ始めた。
「ううん!」
腰のある面にスープも想像通り濃くチャーシューも分厚くってたまらなかった。
「……うま」
「ねぇ」
凪が笑っていた。
するとテレビの方から歌番組が流れだしそっちの方を見るとバーチャルユーチューバーが歌を歌っていた。
「あぁ、あの子。テレビまで出てるんだ」
「凪の方はテレビとか出ないの?」
「今のところはないかな」
「そっか……」
……丸山になにかヒントみたいの聞けたらいいな。
目の前に動画活動の人がいるし、
聞いてみるか。
「なぁ凪。バーチャルユーチューバーになりたいっていう友達がいるんだけど」
「そうなの?」
凪が首を傾げた。
「そう、なんかこうなる方法か何かこういうのがあった方がいいっていうのはある?」
「あった方がいい………忍耐力。そこかな」
「忍耐?」
凪が頷いていた。
「ずっと椅子に座ってゲームとか雑談をメインにするからだって毎日っていいほど短くっても1、2時間ぐらい喋るから結構、腰と喉にくる」
「あぁ腰か……わかる」
会社でずっと座ってプログラミングを打つだけだが以上に痛いんだよなぁ……。
腰辺りがやっぱりズキズキとしているから気持ちはわかる。
「あとは動画のコメントを拾って話題を広げられることかな。最初は怖いかったな……知らない相手と話すから今でもふと怖いときあるよ」
知らない相手と話すのが怖いか……わかるなぁ。
「……わかるな」
「わかってくれる⁉」
なにがこっちを見て嘆きそうな表情をしていた。
「うん。違う会社の人にさ。自分とか他の人を提案するんだけど知らない相手で話すのはいまだに怖いな。それが伝わらなかった時の不安は特に怖い」
「相手に伝わないときは怖いの。よくわかる」
凪がウンウンと頷いていた。
そうだよな今日。凪と会う前は凪だとわかるまで不安だったからな。今、凪だっていうのがわかって食べているけど……。
「あれ……今日の目的」
そうだ。今日ってイラストについて話すんだった。
「すっかり忘れてた。今日ってイラストについて話すんだったよな」
「あぁっ‼」
凪も今気づいたようでこっちを見ていた。
「忘れてた。大輔と会えたのが嬉しすぎてすっかり忘れてた……」
「それで。そのイラストって何するんだ?」
「よく動画でサムネのイラストがあるからあれを大輔に頼みたい!」
「いいけどどんなの?」
「えっと、料理をする企画でなんかエプロンを着てお玉を持った感じが欲しいかな」
「ちょっと待ってろ……」
鞄から仕事用の手帳ではなくコンビニで買ったメモ帳を取り出し、凪が言った注文を紙に書いた。
「えっとエプロンとお玉ね……何頭身ぐらい?」
「何頭身?」
凪が首を傾げた。
「あぁえっと頭身っていうのはキャラクター頭があるだろう。その頭のサイズを基準に体をどう合わせるかっていうんだけど」
漫画やイラストなどによって違うのだが大体は5頭しいとか6頭身とかのキャラがいるのだがその中でも2頭身ミニキャラがいる。ミニキャラになればなるほどそのキャラを生かしたか描き方をしなくてはならない。
「なる、ほど?」
凪が首を傾げていた。
「まあちょっと描いてみるから待ってろよ」
動画をリサーチしてみると大抵ミニチャラとか等身大ぐらいの顔つきのサムネが多かった。
そして凪のほうのえびニを調べると等身大とかミニチャラが多かった。
「……っ!」
そしてやっぱり目に着くのは他の人のイラストだった……。
「上手いなやっぱり……」
影の陰影や光の差し加減やはり才能の差っていうのが見えてくる。
凪のイラストの中に俺が入り込むことなんて出来るのか……。
一気に不安が押してきた。
「大輔?」
凪に声を掛けられそっちの方をみる。
「……俺よりやっぱり上手いな。俺で良かったのか?」
何かを感じたのか凪は頷いた。
「そんなの僕が決めた人だよ。親友で合って君の絵は僕はやっぱり好きだっていうのそれは変わりはなかったからこうして、大輔に声をかけたんだぜ!」
「……凪」
くすっと凪が笑っていた。
「わかった。やるよ」
俺はメモ書きに丸を二つ。そしてその半分を書いた。これが2、5頭身。
動画の同じ二頭身のキャラを指をさした。
「この動画のサムネのキャラが大体2、5頭身ぐらい。俺が今回提案するキャラのサイズ」
「うん。これくらいでお願いします」
凪が頷き。頭を下げた。
このぐらいのサイズか……。構図はそのまま立っている絵がいいかな……。
「……ねえ大輔」
「ん、なに?」
凪に呼ばれそっちに顔を向けた。
「僕のこのキャラの顔だけを描いて欲しいんだけどいい?」
「いいよ」
メモ帳に動画の海老名で写っている顔と髪型。そしてヘアピンの海老を描いていく。
「海老と髪型がな……。あと、目つきはつり目か」
思い当たったところは修正をし、メモ書きに海老名の顔を描き上げた。
「大体はこんな感じか?」
「おぉ!」
凪が頷いていた。
「海老名だね……」
「それはな海老名じゃなきゃならないしな」
これだけ喜んでくれてるのは良かったってことかな?
「この絵。もらってもいい?」
「ん? いいぞ」
大体は海老名の特徴を理解したつもりだ。
メモ帳を切って凪に渡した。
「はいよ」
「ありがとう……」
そのメモ書きをずっと見ていた。
「やっぱり僕、小説家。目指したいな」
「?」
あまり小声だったからよく聞き取れなかった。
「さあ食べよ食べよ。ラーメンが伸びちゃう」
「あぁ、餃子も食うか?」
「いいね。注文しよ」
餃子も注文しラーメンもその後食べ終えて店を出た。
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