「あぁ応援している相棒。頑張れ」

 それからゲームセンターで対戦アーケードで白熱なバトルをしてたり他のことをしてたら夕方になる遊び回った。

 その後。頼んでいた喫茶店にケーキを受け取り、偶然にも同じ駅の電車に乗っていた。

「今日は楽しかったよ大輔」

「こっちも久しぶりに遊べたから楽しかった」

 軽く背伸びをした。

 するともうすぐ自分も最寄り駅だっというアナウンスが流れていた。

「じゃあ俺ここで降りるから」

「……え、大輔もここで降りるの?」

 ……凪もここで降りる?

「えっ凪も?」

「うん、そこに住んでいる。1ヶ月ぐらいに前に引っ越して住んでる」

 意外だった。

 そのまま改札に出て二人して歩いていた。

「まさか凪がここに住んでるとは意外と近かったんだな」

「そうだね意外だった……」

 凪が小さく笑っていた。

「じゃあ昔みたいに遊べるね!」

「そうだな……凪に振り回されるのか」

「……そうだね」

 気づけば辺りが暗くなっていて星が出ていてまだ蒸している熱気が出ていた。

 やっぱり暑いな。

 服を扇いで中に空気を入れて冷ましてた。

「……あのさ大輔」

「ん?」

 凪の足取りが止まり俺は振り返って凪の方を見ていた。

「僕、小説の新人賞にもう一度応募してみようと思うんだ……」

「えっ?」

 凪が小説を………?

「本当に?」

「うん」

 小さく凪が頷いていた。

「君と会ってみてやっぱり約束を頑張りたいなって。それでいつか小説家になったら僕のイラストレーターになってくれないか?」

「凪……」

 嬉しかった。凪がもう一度小説を目指してくれるっていうことが、

「応援、してくれるか相棒?」

 凪が拳を突き出してきた。

「あぁ応援している相棒。頑張れ」

 その拳を応じるように凪の拳に重ねた。

「ありがとう。今度こそ小説家になってみせる! 二人で名を残そう」

「あぁ……」

 笑っている顔がやっぱり当時の顔。そのままだった。

「さて、言うことは言ったし。大輔の彼女さんでも見に行くかな」

「なに見たいのかよ?」

 凪が頷いた。

「それはねどういった子か見たいじゃん。私のリスナーだっていうんだから生のファンの子がドンなのか見たいし早く行こう。レッツゴー」

「わかったから押すなって!」

 凪の背中を押されそのまま進んでいった。


 ◇


 俺のアパートに到着した。

「向こう側のマンションに住んでる」

「マジかよ……」

 本当にここの近くに住んでいたんだな。

 自分のアパート鍵をあけた。

「ただいま姫」

 すると足音が聞こえてきた。

「お帰り大輔!」

 エプロン姿の姫が登場してきた。

「おぉ、めちゃくちゃ美人」

 凪の評価も聞こえた。 

 ……やっぱり姫は可愛いな。

「どうだった? えびニに会えたの?」

 姫が首を傾げてた。

「あぁ、会えたぞ。それと――」

「はーい。どうも初めまして~動画配信者の海老名 ウニで~す。ちくちく~えびニ!」

 ひょこっと凪が顔を出した。

「ここにえびニがいるから挨拶したいっていうんで連れてきた」

「えっ、……えっ?」

 俺と彼女の顔を交互に見ていた。

「えっ本物!」

「本物だよ~! 初めまして大輔の彼女さん。本物の海老名 ウニです!」

 凪の声のトーン少しが高かった。

「えぇぇえぇぇぇぇっ! 本物⁉」

 姫がこっちにしがみついてた。

「おぉ……」

「えっえっ……? 本物のえびニ⁉ 本物⁉」

 凪が頷いてた。

「本物だよ~」

「なんでえびニがいるの大輔!」

「まぁまぁ落ち着いて姫。この人は俺の中学の頃の親友」

「親友?」

「あぁ、俺も会うまで知らなかった」

 姫の背中を優しく撫でる。

 もう少し姫が落ち着いたら凪のことを話そう。

 凪が俺の肩を叩いてきた。

「ねえ大輔。彼女さん可愛いね抱き着いてもいい?」

「……なんでだよ」

「こんな可愛い美少女だよ抱き着きたくなっちゃうでしょ」

「わかる」

 姫が可愛いのはわかるなんて流石は凪だ。

「えっ⁉ 良いんですか?」

 姫も乗り気だった。

 そのまま姫が凪のところに近づき抱き着いていた。

「可愛い……」

「あぁぁぁぁ!!」

 姫が放心状態になっていた。

「よいしょ。私が海老名っていうのは出来れば内緒でお願いね。ありがとうね彼女さん」

「はっはい!」

 姫が何度も頷いていた。

「じゃあ帰るね」

「ん? もう行くのか?」

 凪が頷いた。

「明日の朝の配信があるからさ。今日はこの辺で帰るよ」

「そっかじゃあまたな」

「またね。ケーキ、彼女さんにも渡してね!」

「わかった」

「んじゃあ彼女さん、良かったら動画見てね。すぐ近くだからお話ししようね」

「……はい」

「んじゃあ。おつウニ~」

 凪が手を振りながら去っていった。

 姫がこっちに顔を見ていた。

「大輔はお腹は減っている?」

「減ってる。ケーキもあるから食べよう」

「うん、ありがとうすぐに用意するね」

 姫はそのままキッチンの方へと向かった。

 俺は手を洗いコップを取り出して、一口乾ききった喉を潤うしてた。

「今日はカレーだよ」

「マジで! 嬉しい」

 姫がテーブルに並べて座り込んだ。

「ねえ大輔、聞いても良い? ……中学の頃の友達って本当?」

「本当だよ。姫と転校のときに別れて、その時に出来た親友だよ」

「……そうなんだ」

 姫の頬がハリセンボンみたく膨らんでいた。

「大輔は今日は一日中。えびニといたの?」

「久しぶりだったからなゲームでの話があったけど。イラストも描いて欲しいとお願いされたよ」

「そうなんだ……」

 すると姫がこっちに近づいてきた。

「ん?」

 そして腕にしがみついてきた。

「おぉ!?」

 思わず声に出てしまったのは姫その胸元が俺の腕に当たっていたからだった。

「どうした」

「……そのえびニに嫉妬しちゃった」

 膨らんだ頬を触るとプニプニして柔らかった。

「そっか姫がえびニのファンだって言ったら喜んでいて会いたいって言ってたよ」

「そうなんだ……」

 そのまま俺の腕に顔を擦り付けてきた。

 可愛い。

「姫ってねけもんってやってたりするのか?」

「……うん。お父さんとお母さんもねけもんのゲームが好きだったから私も混ぜてゲームしてた」

「え、海斗さんってゲーム好きなの?」

 姫が頷いた。

「うん。好きだよお母さんも混ぜて3人で出来るゲームとかよくやってた」

「そうなんだ……」

 姫お父さん。海斗さんってゲームしないイメージあったけどまさかするなんて思いもしなかった。

「……んん大輔」

 すると姫の抱きめがちょっと強めになった。

「ねぇ大輔。明日って買い物したいんだけどいい? 水着とか色々買いたい……あと映画館も行きたい」

「わかった」

 映画か前は行けなかったら行っても良いかもな。

 スパイが効いたカレーを美味しく三杯も食べてしまてしまい。その後はケーキを姫に渡すと物凄く喜んでくれた。

「ありがとう大輔」

「良かった喜んでくれて」

 めちゃくちゃ笑顔でこっちまで微笑んでしまうほど好きな笑顔だった。

「明日は楽しみだな、デート」

「……うん。楽しみ大輔とのデート」

 明日に備えるためにその日は寝た。

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