「……姫さんってヤバいな」

 姫の跡をついてみると姫が空を見上げて写真を撮っていた。

「……綺麗」

「本当だな……」

 満点の夜空で天の川がくっきりと見えていた。

「大輔!」

 姫がこっちに気づき振り返りこっちの方に近づいてきてきた。

「それはそうとこんな夜中に出たらダメだろ姫」

「あっ……ご、ごめんなさい……」

 頭を下げていた。……多分。さっきの流星群が見たかったのかもしれなく外に出たのかもしれない。

「空を撮ってたのか?」

「さっき見た流星群が綺麗でもう一回見たくなっちゃって、でもみんな寝ているから1人でも大丈夫かなって……ごめんなさい」

 やっぱりそうだったんだな。こうして反省しているならいいか。

「流星群綺麗だったもんな」

「……うん」

 姫が小さく頷いていた。

「でも夜に2人きりか……懐かしいな」

 小学生5年生の時に2人で遊んでいて夜遅くになってしまって怒られたんだよな……。

「えっ?」

 姫が首を傾げていた。まあ無理もないか昔のこと――

「……そんな小さい頃から大輔とえっちな関係になってた!」

「――っ!? ちょっと姫、何言ってるんだよ!」

 お酒で酔っていたのがはずだが一気に覚めてしまった。

「……え? 夜の関係だって言うからもう、小さい頃に大輔とえっちな関係になってしまったなんて……なんで覚えてないんだ私!! ってことじゃないの?」

「いやいやいや……。そんな小さいから進展してないからな」

「えっないの!?」

「ないからな‼︎」

「なんだ……。まだ大輔とえっちな関係になってなかったなんて残念」

「いや、残念がらないで欲しんだが……。そんな小学生の時に出したら俺は終わってたよ社会的に……」

「……え? 私は小さい頃に保健体育の授業で大輔のがチンチンが大きくなってると思ったらワクワクしてたよ」

「――えっ!?」

 自分の顔が真っ赤になっているのがわかっていた。

 そんな小さい頃はそんなでもないと思っていた姫いつの間にか変わってたと思ったけどそんな小学生からだったとは……。

「……姫さんってヤバいな」

「えっ? そう?」

 姫が首を傾げていた。

「……まあ、少しは」

「でも、大輔のことは小さい頃から大好きだったのは変わらないよ?」

「――おぉっ」

 思わず、不意打ちをくらってしまい心臓が熱くなっていた。

「小さい頃にこんな真っ暗な時まで遊んでくれてママとパパに怒られるまで付き合ってくれたことも一緒にいてくれたから好きだよ」

「……あれ、最初から気づいてた」

「うん。2人で夜で遊んでいて怒られたねってことは最初っから気づいてたよ」

「……からかったな姫」

「にししっ」

 少しだけ小悪魔みたい笑っていた。

「でもこうして、すみれちゃんや大野さんとかと一緒にお泊まりできて最高に楽しいよ……ありがとうね大輔」

「……そっか楽しかった」

 そう喜んでくれるだけで嬉しく彼女の顔をみると満遍な笑みをして笑っていた。

「ねぇ、大輔……抱きついていい?」

 俺の返事を言う前に手を背中の方に回し抱きついてきた。

「――っ!」

 小さい手でぎっしりと握りしめられて胸のところに姫の顔で当たっていた。

「やっぱり大輔の匂い好き。……好き」

 そして姫の吐息が胸のところにあっていて心臓がさらに速くなっていた。

「俺も好きだよ」

 俺は姫の頭を優しく撫でた。

「……じゃあ戻るか」

「その前に大輔成分を……。部屋に戻ったらすみれとか居て大輔成分が補給出来ないから今のうちに」

 そして顔を思いっきりぐりぐりとされた。

「…………えへへ、ありがとう大輔。幸せ。じゃあ帰ろ」

 そして抱きつかれたのを解放され手を握ってきた。

「……もし、星空見たかったら言ってな。一緒に付いてくから」

「うん。ありがとう!」

 そのまま2人でこっそりとコテージの方に戻り俺は布団に入って寝た……。

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