「……なんだろこの敗北した気持ち」

「んっ……」

 太陽の日差しが差し込み半分起きた。

「んっ、んんっ……」

 耳を澄ますと小鳥の合唱が鳴り響き一気に目が覚めてしまった。

「あぁ……」

 昨日飲んだビールが効いているみたいでまだ酔っているという感覚だけが残っていた。

「おーい吉田起きろ朝ごはんだぞ!」

 すると大野がドアを開けて俺を呼んできた。

「んっあぁ……。悪いまだ酔っているみたいだ」

「ん? マジか気持ち悪いとかあるか?」

「……いやそれは大丈夫。けど酔っているな」

「わかった。水を持ってきてやるから少し休憩したらご飯は食べに来いよ。朝ごはんは体に必要だからな、と言っても昨日のカレーだけど食えそうか?」

「……食べる。先に水をくれ」

「了解」

 大野がリビングの方に向かっていった。


「……大輔、大丈夫?」

「えっ姫?」

 数分後。大野を待ってたはずだが姫が代わりに入ってきて水を入ったコップを渡してきた。

「はい」

「ありがとう……。姫は大丈夫なのか? 夜遅くまで起きてたのに」

「少し眠いぐらいだけど、大丈夫だよ」

「おぉ……」

 姫の言う通りピンピンとしていた。

「……ん」

 学生の頃なんて深夜アニメも余裕で見れたのに、今となったら疲れてしまって寝てしまうから年の差を感じる。

「……なんだろこの敗北した気持ち」

「大輔? どうしたの?」

 姫が首を傾げていた。

「いや、姫を見ると若いなって」

「? 大輔も21歳だから若いよ」

「…そっか若いのか」

 それだけどやっぱり腰と肩がバキバキになっているのを感じるとなんか年を取った感じをする。

 ……俺は緑生い茂った自然を眺めていた。

「おーい吉田生きてるか。……ってなんで吉田は明後日の方を見てるんだ?」

 大野が登場してきて俺の方を見ていた。

「姫を見てると若いなって」

「俺からしたら吉田も十分若いぞ……。若いな」

「ありがとう……」

 そして大野も窓の方を向いて眺めていた。

「センパイ達何してるんすか。朝ご飯冷めちゃいますよ」

 そこに内田も登場してきた。

「……なにセンパイ達。窓の方を眺めてるんすか?」

「……さあ?」

 ご飯にするか。

 俺は冷たい水を飲んでリビングの方に向かい昨日の朝ごはんを食べ終え一休みをしてから荷物を車の方にどんどん運び終えると肩がバキバキになっていた。

「あぁ……肩がバキバキだ」

「お疲れ。帰りに銭湯でも入るか?」

 鍵を返しに行っていた大野が帰ってきた。

「銭湯!?」

「え、お風呂に入れるの!」

 内田と姫が食いついてきた。

「あぁ、知り合いが経営しているんだが。時間はかかるけど入りたいか?」

「入りたい!」

「……私も入りたい」

 姫と内田2人揃って手を上げていた。

「吉田もどうする?」

「風呂か……」

 想像をいただけでお湯にゆっくりとくつろげると思うと癒されそうな気がする。

「賛成だな」

「よし決まりだな!」

 行く先を決め。俺たちは残りの自分達の荷物を持って。車に乗り込み銭湯の方に向かっていった。

「レッツゴー!」

 

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