「はーい! マグロ、マグロをお願いしまーす!」

 姫に回転寿司を行くと伝えた昨日。

俺と大野と内田の三人は頑張って今日のノルマを終わらせて姫と合流するために駅の方へと歩いていた。

 道中で内田が大きく背伸びをしていた。

「なぁぁ疲れた~仕事終わったよ………」

「腹減った……」

 ダンボールとか運んでいたからお腹が空いて、ぐるると腹の虫が鳴っていた。

 大野が俺の背中を叩いてきた。

「あともうすぐで駅だから二人とも生き延びろ~」

「へーい」

「了解……」

 なんとか駅の方にたどり着いて姫にメッセージを送り。改札口に近くに集合することになった。

「……あっ!」

 改札のところに行くと姫がいた。

「姫ちゃんやっほ~!!」

「すみれちゃん~やっほー」

 すぐさま内田が姫の元に近寄っていた。

「大野さんもお疲れ様です」

「お疲れさま」

 そして俺の方を見てにっこりと笑った。

「大輔お疲れ」

「お疲れ姫。ありがとうなわざわざ来てくれて」

「ううん。みんなと外食なんて楽しみ」

 物凄い笑顔でニコニコだった。本当に楽しみだったんだな。

「じゃあ行こうか」

「うん!」

「ちょっとセンパイ~~! 姫ちゃんとイチャイチャする時間くださいよ~」

 内田が何か言っていたが気しないようにして、四人で回転寿司の方に向かった。


 ◇


 回転寿司に着き席に案内されて、姫のところに内田が座って、俺のところに大野が座った。

「さて、何頼もうかな……」

「姫は海老にするか?」

「うん。海老が食べたい」

 姫が手を上げて注文していた。やっぱり姫は海老が好きなんだな。

「内田もなんか頼みか?」

「はーい! マグロ、マグロをお願いしまーす!」

 聞いた瞬間勢いよく手を上げてきて注文をしてきた。

「了解。大野は?」

「俺はそうだな……」

 うーんと手を顎の方に乗せて考えていた。

「サーモンかな」

「了解」

 みんなの食べたいものを注文をした。

「それじゃあキャンプの話しでもするか」

「いいですね~」

 大野が話をしていて姫はお茶をみんなに用意していた。

「この四人でコテージに泊まるっていうのは大丈夫かな? 部屋があるのを頼んでおいたから男女で分かれるから大丈夫だと思うけど」

「お茶です」

「ありがとう」

 みんなにお茶を配りっていた。

「それで日にちは7月25日でいいんだよな?」

 一応土曜日で大野がこの日がいいと言われた。

「あぁ、その日の予定だけど。内田とか姫ちゃんは予定はあったりするか?」

「ないっすよ」

「私も大丈夫です」

 内田と姫、二人とも頷いた。

「集合時間とかは何時なんだ?」

「んー朝の9時からで駅に集合でいいか? レンタカーを取ってきたりしたりするから」

「9時っすね。了解っす」

「はい。わかりました」

すると頼んでいたお寿司が流れてきた。

「おっ! 来た来た」

 みんなの分を取ってそれぞれ頼んだのを置いていった。

「それでキャンプって何をするんですか?」

「そうだな。肉を焼いたり。近くに川があるからそっちの方を散歩とかかな」

「川っ! 川だって姫ちゃん」

「うん。良かったね。すみれちゃんは水着とか持ってるの?」

「あるよ。去年に友達と遊んでいたから着れると思う姫ちゃんは?」

「私は持ってないかな。今度大輔と買い物の時に一緒に買おうかなって」

「えっ? 俺?」

 こういった水着って大抵女性同士が行くもんだと思ったけど……。

「うん……。その大輔と買い物したいし」

「えっあっ、おぉ……」

 姫の水着姿か……。京都に行ったときにはみた水着はちょっとエッチで胸が凄かったけど試着した姫が脳裏に過る。

『大輔。どう? 黄色にしてみたんだけど似合う?』

 物凄く似合うんだろうな……。やばいな楽しみだ。

「センパイ……顔キモイですよ」

「――っ!」

 内田に言われて我をかえった。え、そんなヤバい顔してた?

 すると姫が笑っていた。

「大輔笑い方。〝えびニ〟みたい」

「えびニ?」

 みんなして姫の方を向いた。

「えっ……みなさんは海老名えびな ウニって知っていますか?」

「大野知っているか」

 結構大野は知識知っているから芸能人とか詳しそうだけど。

「いや……」

 だけど大野も俺と同じく知らないと首を横に振った。

 そのまま内田の方にも目を向けるが内田も同じくだった。

「そのえびなさんってだれのこと?」

「あっ! えっとちょっと待ってね」

 スマホを取り出し動画を再生してテーブルの上に置いた。

 動画を見てみるとバーチャルユーチューバーだった。

「えっ姫ってユーチューバーの動画見るの?」

「うん。この前、凛に勧められて見たんだけどファンになっちゃって……」

 意外だった。姫がバーチャルの動画を見るとは思いもしなかった。

「へーそういった動画も見るんだな」

「うん。面白いよ大輔も見る?」

「そうだな少し興味あるかな」

 丸山に頼まれてたバーチャル動画のキャラデザにはいいかもしれない。ちょいちょいと動画をつまんでいた程度だったから。

「私も見たいから教えて姫ちゃん!」

「うんいいよ」

「さあ食べるか」

「そうだな」

 その後雑談とかキャンプで何やるか、持って行く物など話をして。2時間ぐらいたちみんなお腹が満腹になり会計をして駅の方へ歩いていった。

「それじゃあ」

「またね姫ちゃん! センパイも」

「あぁまた明日」

「じゃあねすみれちゃん」

 二人に別れの挨拶をして電車に乗り込んだ。

「えへへ。今日は誘ってくれてありがとうね大輔」

「良かったな寿司が食べれて」

「うん」

 頷き。とても嬉しそうな表情だった。

 バーチャルか……そろそろ丸山のイラストを完成させないとな。

 師匠から貰った液タブはセットしてあるからあとはラストパートぐらいだから、姫が教えてくれたバーチャル動画を参考にしてみようかな。

 そう考えていて最寄りの駅についていた。

「やば降りないと!」

 急いで姫と一緒に降りて改札を通った。

「……」

 少し絵に集中したいな……。夜食用に買っておくかな。

「コンビニを寄りたいんだけど良い?」

「うん。わかったいいよ」

「なにか欲しいのとかあるか?」

「ん~。コーラをお願いしてもいい?」

「わかった」

 コンビニに入りツナマヨおにぎりとチョコレート、コーラを手にしてレジン方へ向かおうとした。


 ピコンっ!


「んっ?」

 メッセージ?

 スマホを取り出し見てみるといつも使っているSNSじゃなかった。

「違うやつだな……」

 よくアイコンを見てみると絵を投稿しているマークの方だった。

 そして文章には、

『ロスト先生。もしよろしければイラストと描いてくれませんか?』

 えっロスト⁉

 ロスト。俺がイラストを描いて投稿しているハンドルネームだ。

 まさかメッセージを送ってくる人がいるなんて思いもしなかった。

 送られた名前を見てみるとそこには【海老名 ウニ】。

 そう書いてあった。

「えびな、うに……?」

 書かれてたのはさっき話をしていた海老名 ウニだった。

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