「楽しそうにしてる時の笑顔で話しながら没頭にしているのが好きだなって」

「……うーん」

 アパートに帰って冷蔵庫からビールを開け飲みながらスマホを睨めっこしていた。

「海老名 ウニって人だよな……」

 なんど見ても海老名 ウニって名前だった……。

 ちょっと姫に聞こうと思ったけどちょうどお風呂に入っていた。

「見てみるか……」

 海老名 ウニって人の動画を検索し再生をした。

『はーい。どうも初めまして~動画配信者の海老名 ウニで~す。ちくちく~えびニ!』

「ち、ちくちく?」

 目が入ってくるのはキャラクターで声を発した途端パクパクと動いていて、目元とか結構つぶっていたりしていた。

「ほう……」

 改めて見てみると本当に喋っている感じが違和感な感じがする。

『とっいうことで今日もゲームをやってみようと思います! ネタバレは出来るだけ避けてくれるとありがたいです! じゃあやっていきましょうウニウニ!』

 ゲーム画面に映りかわり端の方に海老名 ウニがいた。

「ふぅ……さっぱりした」

 声がして風呂から姫が出てきた。

「大輔。何してるの?」

 姫がテクテクとこっちに近づいてきた。

「――っ!」

 濡れている髪。そしてお風呂上がりのいい香りがしてきた。

 ドクンッ。ドクンッ。と心音が鳴り響く。

 いつも見てるのに姫が近くにいるから可愛くってドキドキしてしまう。

「あっえびニだ! 大輔、興味もってくれたの?」

「……うん」

「――っ! そっか~‼」

 両肩を掴んでゆらゆらと揺らしてくる。

「じつはさっきこの海老名さんにイラストを描いて欲しいって頼まれて」

「えっ!」

 姫の顔をみると驚いていた。

「えびニに頼まれたの⁉」

「うん……」

 見ている動画から海老名 ウニに頼まれたメッセージを姫に見せた。

「……本当だ」

 目をパチパチとしていた。

「えびニを描く大輔の絵。どんな感じになるんだろう……。大輔とえびニの雰囲気似てるからな合ってそう」

「似てる? どうゆうところが?」

 似ているところなんてないと思うけど……。

 彼女はバーチャルだし、女性だから似ている要素なんてないと思うけど。

「ん~。えびニと大輔が似ているなっていうところはね。楽しそうにしてる時の笑顔で話しながら没頭にしているのが好きだなって。やっぱりなんか笑顔のところが似ているもん」

「笑顔が似ている?」

 そう、言われたけどあまりピンと来なかった。

「似てるか?」

「うん。私が一番大切な人を近くで見ていたから似ている気がするな」

「ありがとう……」

 姫が似てるなら多分そうなんだろうな。

「……うーん。それにしてもだけど」

 気になるのはなんで俺に依頼をしたのかということだ。

「リクエスト受けてみるかな……」

 俺は海老名 ウニの依頼をやると彼女にメッセージを送った。









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