「流星群……」

「……えっ⁉」

 大野と内田も空を見上げるとまだ眩い光が現れたら消えてを所々繰り返していた。

「流星群だな。今見ているの……」


「「えっ⁉」」


 俺と姫、内田も大野の方を見上げると物凄い顔でにやけていて空を眺めていた。

「流星群……」

 今見ているのが流星群なんて……なんて言葉にしていいのか分からなかった。

 そしてまた空を見上げると光だし暗闇の夜空を駆け抜けるように去って行ってまた違うところで現れを繰り返しているが瞬きをしたら見えなくなってしまうんじゃないかというほどに目が離せなかった。

「……よく三回お願いしたら願いが叶うなんて俺には出来ない」

 それほどまでに星が現れて消えるのが速すぎるからだった。

 姫と内田も頷いていた。

「願い事なんてこんなの見ていたら頭の中真っ白っすよ」

「……うん」

 そして大野が物凄く笑っていた。

「俺はもう一回見たいと思っていたけどまさかこんな連続で見れるなんて思いもしなかった」

「大野先輩って流星群見たんですか!?」

「前に友達と一緒に静岡の方にキャンプをしていたんだが富士山の後ろになんか輝いているなって思っていたけど多分改めてこうしてみると流星群だったんだと思う……」

「富士山をバックにキャンプなんて素敵ですね……」

「友達が二人っすね……」

 内田が大野の方を向いていた。

「それって彼女さんですか?」

「いや、普通に男友達だよ。そういった話は煙もたたないからおしまい」

「なんだつまらないっすね」

 少し意地悪そうに言っていたがまた内田は空の方を見上げていた。

「……それでも綺麗っすね」

「うん」

 俺は姫の方を見ると物凄く夜空を見てウットリとしていた。

「……これだけ流れていたらなんか願い事とか叶いそうだよな」

「大輔はやっぱり願い事はあるの?」

 姫が首を傾げていた。

 言葉にするなら姫と一緒に過ごせるってことかな……。けど言葉にはしない。流石に大野とか内田がいるから少し恥ずかしい。

「無難に平和かな……」

「えーセンパイがそれを言うとなんか似合わないっすね」

 内田が不敵な笑みでこっちを見てきた。

「そういう内田は?」

「私っすか? うーん……………。まあ、お酒が飲んでみたいっすかね。私が誕生日の時はお願いしますよセンパイ」

 こっちを見て内田がニコっと笑っていた。

「わかったよ。美味い焼き鳥があるから大野と一緒に連れてってやるよ」

「マジすか! 焼き鳥とお酒って合うんですか!」

 物凄い目でこっちを見てきた。

「あぁ、なっ? 大野」

 大野も分かるようで頷いていた。

「美味いぞ……枝豆と鳥のから揚げとかオニオンフライも合う」

「……全部油物じゃないですか」

「それでも合うんだぞ」

「へーその時はお願いします」

 姫の方を見ると頬を膨らませていた。

「むー」

 そして俺の方に近づいて少し頭突きしてきた。

「大輔……」

 姫が手招きをしてきて俺は姫の方に近づくと耳元で話をしてきた。

「私もお酒飲みたい……」

「それはダメだって。大人になったら一緒に飲もうな」

「むー」

 お酒を飲むのを諦めてなかった姫が頬をくらませていて、俺は姫の頭を優しく撫でていた。

「姫はなんか願い事とかってないのか?」

 優しく撫でていた頭が少し前のほうに頷いた。

「……大輔と同じだよ。平和が一番かな。こうしてみんなと流れ星を見れているだけで私は幸せ」

 そして姫はまた無数に流れる流れ星を見ていた。

「……そうだな」

 そして流れ星が終わるまで俺たちは空をずっと眺めていて終わったのは午後9時を過ぎていた。

「……戻るか」

「そうだな」

 夜空を見上げると夏の星の象徴と言われる夏の大三角形が輝いていた。

「……少し肌寒いすね」

「うん……」

 少しひんやりとしている。夏とはいえ自然の夜を感じる。

「早めに戻ろっな」

 コテージの方にみんなで戻るのだった。

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