「お腹好きなの?」

「それじゃあ掃除始めよ」

 姫が立ち上がった。

 掃除か……。まだ疲れが取れてない。

「悪い。朝の夜中の1時頃まで起きていたから寝かして欲しい……。起きたらやるから」

 もう肉体と精神が電池切れ寸前だった。

「なら私がやろうか?」

「え?」

 彼女がこの部屋の掃除を?

 ……姫がやってくれるのは嬉しいが、やっぱり女性が男の下着を見たら戸惑ってしまうんじゃないか。

「良いよ男の下着とかあるし」

「大丈夫だよ。さっきお世話するって言ったんだから。それに下着なんてただの布だし」

 うわ。すげぇ……頼もしい。

「本当にいいのか?」

「うん。わからない物とかあったら聞くからその時はよろしくね」

「わかった」

 俺はシャワーに向かい軽く浴びて着替えた。

「……ふぅ」

 浴槽から出ると姫が掃除機とかかけてくれている。

「おぉ……」

 ある程度片付いて隅にゴミ袋が纏めてあった。

 ……凄っ。

 姫がこっちを見てニコッと笑った。

「やっておくからもう、寝ていいよ」

「すまん……」

 ベッドにダイブし、目を閉じて横になると眠ってしまった。

「……ねぇ」

「ん?」

 姫が体を揺すってきた。

「ねぇ大輔。このスケッチブックどうする?」

 眠い……。

「テレビのところに置いてくれ……。大事な物だから」

「了解」

 またガサガサと片付けの音が聞こえてきた。

「……」

「「わーお! エッチなDVD発見!」」

 盛大な声で目が覚めた。

 エッチなDVD……?

 確かテレビの横に置いてあった……。

「ちょっと待った!」

 大輔は急いでベットから起き上がった。

 マズい! まさか姫に見つかるなんて!

「ストップ……」

 またしても遅かった。なぜなら姫がグラビアDVDのパッケージを眺めていたからだった。

「大輔……お腹好きなの?」

 俺は姫から視線を外していた。

「……ナゼ、ソウ思ウノダイ」

「だってこの子のパッケージには水着が描いてるけど。掃除してたらこれが落ちていたからそうかなって」

 手元にスケッチブックをぶら下げている。

「な、なぜそれを……」

 それは俺のとって欲望が描かれてる禁断のパンドラ。

「床に落ちてたよ。中で開きぱなしでちょっと見てみたらお腹が沢山描いてから好きなんだなって」

「ノオォォォォ!」

 急いで姫からスケッチブックを奪っていた。

 恥ずい! 何やってんだ俺!

 過去に掃除をしてなかった自分を呪いたい……。

「あれあれ? 大輔やっぱりお腹好きなんだね〜〜」

 ニヤニヤとからかってくる。

「私の見せようか? ホラホラッ」

 チラッ、チラッと服をめくりお腹が見えないが青い下着のラインが見え隠れしている。

「ほら、俺の趣味はいいから掃除やろうか」

 姫は顔を膨らませていた。

「えい!」

 服を思いっきりめくりブラとお腹がはっきりと見てしまう。

「おぅ!」

 綺麗なフォルムだ。お腹は引き締まっていてくびれもある。それにヘソも素晴らしい……。

「触ってみる?」

「マジで良いのか……」

「別にいいよ」

 女性のお腹を触るなんて初めてだ……。

「そ、それじゃ……」

 姫のお腹に触るとあったかく柔らかい……。

 自分の腹が触って遊んでいたがこんなにも柔らかいんだな……。まるでパンの生地をさわってるかのようだ。

「おぉ……」

 柔らかいが筋肉もしっかりついていて鎖骨の出ている。これが女子の体なのか……。

 姫は顔を少し赤くなっていた。

「あっ……。くすぐったいよ大輔」

「あぁ! 悪い」

 急いで姫のお腹から手を離した。

 すると姫は「ふぅー」と息を吐いていた。

「大輔。エッチだね」

「……否定は出来ません」

 俺は無言で掃除の手伝いを始めた。

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