「私も絵を描きたいな」
体力を回復してから俺も参加し、片付けを終えることが出来た。
姫は一旦荷物を持ってくるっと言って帰ることに、
「バイバイ大輔」
「あぁ。また……」
扉を閉め振り返ると自分の部屋とは大違いで見違えた。
「本当に自分の部屋か?」
疑ってしまうほど綺麗だった。
「彼女か……」
こうして出来る初めての彼女。
お世話をしても貰うんだから何か返したいが何も思い当たらなかった。
◇
明日になり姫がキャリーバッグを持ってきて登場してきた。
「じゃあよろしくね。大輔」
「こちらこそ」
「あ、それとお母さんが持って行きなってお菓子くれた」
ビニール袋を渡すと
「おぉ。ありがとな。今飲み物用意するから」
昨日買っておいたコーラを取り出しコップについでテーブルに置いた。
「どうぞ」
「ありがと~」
袋を開け姫に置くとかぶりついていた。
「……私も絵を描きたいな」
「絵を? 急にどうした」
「大輔の部屋を片付けしているときお腹を描いているスケッチあって、他にも絵を描いている紙も発見したじゃない?」
掃除をしているときに紙にアニメの絵とかマンガの落書きで描いては満足してしましまい。そこら辺に置いてしまったな……。
見返してみたらもっと上手く描けていたのになと思う。
「そうだな……」
「この部屋も漫画とか置いてあるからいいなって」
「……姫はこうゆう漫画とか嫌だったりするか?」
自分が興味がないからこれはいらないものだと相手に押し付けたり貶してやめるように言ったりと中にはいたりする。
姫は首を傾げていた。
「なんで? 嫌じゃないよ。むしろ尊敬しちゃうもん。カッコいいなって」
「そうかな?」
「うん。私も高校生に入ったんだら何か趣味を見つけたいって」
「……それで絵か」
否定じゃなくてこうして趣味としてやりたいってことなら賛成だな。
「姫はアニメを見たりするのか?」
姫は頷いた。
「うん。まあ夕方にやってるのだけどね」
「いいんじゃないか? でもそんなに世話をしてくれて学校の勉強があるのに時間がないだろ」
「大丈夫だよ普段から手伝いしているし、勉強もやってるから。それに大輔がどんなのにハマってるか興味あったからね」
姫は「えへへ」っと笑っている。
「わかった。あまり無理のようにな」
「了解」
軽く敬礼をしていた。
「それじゃあ今から始めるか……」
紙と鉛筆を持ってテーブルに置いた。
「好きなのを描いてみて」
姫は首を傾げていた。
「好きなの?」
「そう。何でもいいよ」
「じゃあ……」
スマホでアニメのキャラクタを調べて模写をしながらかいていた。
三十分後出来上がった。
「どう?」
「どれどれ……」
見てみるとバランスがズレていたがでも、楽しそうなのが伝わってきていた。
「うん。いいじゃないか」
「そうかな?」
けど姫は納得はいかなった様子で首を傾げていた。
「そうだよ。楽しそうに描けているじゃないか」
「楽しい? それが大事なの?」
「もちろんだよ。楽しいのがいいに決まってるし」
そう、大事なのはモチベーションといってもいい。暗いままや迷いがあるとそのまま絵に影響をしてしまう。出来れば楽しいのがいい。
「じゃあ大輔も描いてみて!」
姫が裏面にして紙を渡してきた。
「ん……まあやってみるけど最近は描いてないから変な絵になったりすかもしれないが」
姫は首を縦に振っていた。
「うんうん。みたい!」
「それじゃあ……」
モチーフを頭の中で考えどんな動きにしようかを描きながら下書きを仕上げた。
「大体は出来たかな」
良く出てくる妖精の女の子を花びらを散らせてアクションぽく大体は出来ている。
「おぉ、凄いじゃん大輔! もうプロだよ!」
「………プロか」
「大輔?」
心配そうにこっちを見てくれていた。
「俺さ、イラストレーターになりたかったんだ」
「いらすとれーた?」
大輔は立ち上がり絵が描かれている文庫本を姫に渡した。
「おぉ……すごい」
「こうゆう小説にイラストを描いて仕事をするのだよ。まあ、そんなのやめちゃったんだけどな……」
姫は首を傾げていた。
「そうなの? こんなに上手いのに」
「限界が見えてしまったんだよ。俺の絵じゃ誰も見てくれない。プロとしてやっていけるのか。そんな不安があってこうしてサラリーマンやってるんだ」
「そう? 私は好きだよ大輔の絵」
「姫……」
こんな声があったらもう少しやる気があったかもしれなかったな。
「もう遅いさ。二十歳になってるんだ。もう、遅いさ……こうして趣味でいいよ」
すると姫が手を握った。
「大丈夫だよ! この絵を描いていた大輔さ笑顔になってたよ。私、好きだもん大輔の笑顔。それにこんなに上手いんだよ大丈夫だよ」
「……姫」
嬉しかった。誰からこんな風に言ってもらえるなんて。
「ありがとうな姫」
だったら自分の技術を上げないとだな。
「うーん。胸を大きくすればどうすればいいんだ?」
「胸! なにいきなり!」
姫は後ろに引き下がっていた。
「あぁ、違うよ。絵で巨乳キャラが描けないからその技術をあげたくて」
「へーなるほど……。ん? だったら触ってみたら」
「触る、何を?」
何を言ってる意味がわからない。
姫は自分の胸を掴んでいた。
「私のおっぱい」
「……はい?」
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