「大輔の誕生日じゃん!」
次の日。仕事を定時で帰って食事を食べ終えて、昨日話が出来なかったキャンプの説明をしていた。
「それで、俺と姫と大野と内田の四人で一泊しないかってことになってるんだけど。どうだ?」
姫は頷いた。
「うん。良いよ。面白そう」
「よっしゃ!」
素直に嬉しい。
喜びのあまり拳を握りしめる。
「それで予定はいつになの?」
「7月後半にしようかなって。夏休みの方が姫も良いかなって」
「––––!」
姫がこっちを近づいて迫ってきた。
「……大輔。確認だけど。7月7日じゃないよね?」
「え? あぁ7日じゃないど……。何か予定でもあるっけ?」
「あるじゃん! 一世一代の日が!」
「一世一代?」
姫が頷いていた。
「うん! そうだよ!」
こんなに姫が必死になっているが7日?
思いつくのだとイベントだと七夕だけど……。七夕がメインの祭りとか?
「七夕の日に祭りってあったけな……」
「違うよ大輔。七夕じゃないって」
「あれ、違ったか? てっきり祭りをやるから、そんなに騒いでいたのかなって」
「七夕もそうだけど大輔の誕生日じゃん!」
「……あ」
そういえば7日は俺の誕生日か。つい、自分の誕生日を忘れてしまっていた。
「そっかもう、俺も21になるのか……」
二十歳ぐらい過ぎると、あっという間に時間の概念が早く感じる……。
「大人になると時間の流れが早く感じるって本当だったんだよな」
「私の場合はまだ、1日終わらないかな……って呟いているけど。そうなの?」
「あぁ本当に早い……」
こうして、仕事のことをやってるうちはまだかなって思える。休日で趣味で集中していると、あっという間に夕方になっている。もう、そんな感じだ。
「へー。じゃあ、大輔の誕生日はお祝いしてあげるね」
「ありがとう、来年はお祝いするからな」
「うん、楽しみにしているね」
姫が笑顔で微笑んでいた。
「じゃあお風呂入ってくるね」
「あぁ、布団しいておこうか?」
「うん。ありがとう」
姫は立ち上がって風呂場に向かった。
数分後。姫が風呂から出てきた。
「ありがとう大輔。布団敷いてくれて」
「あぁ、それじゃあ寝ようか」
姫が頷いた。
「うん」
電気を消して布団に潜る。
「おやすみ姫……」
「おやすみ、大輔」
そのまま目を閉じてゆっくりと眠りについていった。
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