「じゃあ、ポーズはネコみたくしようか?」

 金閣寺に向かって歩くと。木々の隙間から金色の色が輝きだし、目に差し込んでくる。

「眩しい……」

 そして全体が見たところに踏み込むと、鉄柵になっており、湖の中心のところに金閣寺が建っていた。

「目がチカチカして痛いよ。大輔」

 姫が、薄目で金閣寺を見ている。

「俺も同じだよ」

 太陽の光で金閣寺の代表と言えるが金が輝いているが、おかげで反射していて目がチカチカする……。

「それしても、良い絵が描けそうな場所だな……」

 周りの湖と自然、そして一ヶ所だけに建物があるのだと、新しい絵の案が出来そうだ。

「どうゆうのが良いかな……」

 和風の建物だし、巫女の少女を着せようかな。腹のところまでは短く。猫耳とかにしても良いかもな。黄色で明るい色だから、赤色だと薄味になってしまうかもしれない。いっそのこと赤いところを、青にすれば良いかもしれな。

 でも、空と湖が青だからな……。色に被ってしまうなから、違う色にした方が良いかも。赤のところをピンクの方にした方が――。

 すると姫が呼びかけてきた。

「大輔、大輔」

 あ、姫が呼んでいる。

「あ……どうした?」

 姫が首を傾げていた。

「さっきからブツブツって言ったからどうしたの?」

「あぁ、悪い。ちょっと風景のこととキャラクターの配置を考えていた」

「キャラクターってどんなの?」

「巫女を描こうかなって……」

 姫が金閣寺を見て、頷いていた。

「なるほど巫女さん。ということは大輔の事だから、お腹を出して描くってことなの?」

 姫がこっちを見て「にしし」と言いながら、イタズラをしてくる子供みたく笑っている。

 こんな風に見透かされてしまうほど、俺の趣味を理解されてしまってた……。

「まあ、そうなる。まあ巫女服っていうか長いスカートみたいのは、どうすればいいのか悩んでしまうな」

 こう、女性のスカートって間近で見たことないからな……。

 すると姫が首を傾げていた。

「それなら、ホテルの浴衣を代用できると思うから。私が動きのポーズを真似しようか?」

「え、いいのか?」

「うん。面白そうだし」

「そっか……それじゃあ。猫耳とか付けてくれないか?」

「え? ネコミミ?」

 姫の顔が、少しだけ引いていた。

「いや、この金閣寺を風景に、猫耳を生やした巫女を描こうとしてるんだよ」

 そう、けしてやましい下心は、……あると言えばあり。姫が猫耳を付けた姿を拝めたい。というのが本音です……。

 姫がこっちを見ながら、顔を覗いていた。

「へーお腹を出して?」

「……あぁ。お腹を出して」

「そっか、お腹を出してか……。うんうん、大輔らしいね」

 それは褒めているのか? とツッコミをしたくなるが、姫は頷きながら金閣寺の方に歩いて、鉄柵のところに手を置いた。

「じゃあ、ポーズはネコみたくしようか?」

 手をグッと握りしめて、招きネコみたいなポーズをしてくれた。

「あぁ、OKだ!」

 可愛さという猫の擬人娘がいるおかげて、頭の中の想像力が加速していく!

 それよりも、この姫ネコを撮影したい。

 体がいつの間にか動いていて、スマホで姫を何度も撮っていた。

 それとモフりたい!

 10枚ほど違う角度を撮り終え、見ると良いい参考になった。

「どう、綺麗に撮れた?」

 姫が近づいて、覗き込んできた。

「おぉ、良い感じ! 後で送って」

「了解」

 確認して終わると、金閣寺の方を見ていた。

「ん? どうした」

「いやーこんなに眩しいのに凄い人気だなって」

「確かにな……綺麗だ」

 そう、本当に風流だなと感じる。

「ねぇ、大輔。写真一緒に映ろ」

「良いね」

 通りすがりの人にスマホを渡して、二人して金閣寺をバックに撮って貰った。

「すいません。ありがとうございます」

 よし、姫とツーショットゲットした!

 こう思い出が増えていくにつれて、いつか姫と見直すんだろうな……。

 姫がスマホを取り出し、なにかして調べていた。

「ねぇねえ大輔。たい焼きって食べたくない?」

「たい焼き? まあ、食べたいかな」

 少し歩いたから、小腹も空いたな……。

「さっき猫の話しをしてたら、たい焼きが食べたくなっちゃって……。食べたいにゃー」

 さっきポーズを撮った猫の真似をして、猫パンチを繰り出してきた。

「了解、姫ネコさん。買うから少し待ってな」

 そしてまた腕に抱きついてきた。

 こう、柔らかい物が腕に包み込まれるが慣れないな……。

「……よしよし」

 逆の手で頭を撫でる。

「にゃへへ……」

 たい焼きの場所までは、すぐ近くにあるっということで歩いていった。 


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