「えへへ。また揉んで欲しかったら言ってね」
また別の日。仕事を終え帰り道やたら肩が重い。
「いや、重いんじゃなくて痛いんだよな……」
首を少し傾け首筋と肩、背骨がピキッと音が鳴る。
「あぁぁ! イタァァ……」
これはマッサージ屋に行って揉んで貰おうかな……。でも、力が弱かったり強過ぎのせいで揉み返しになるんだよな……。
「高いところに行って揉んで貰うかな……。いっその事温泉でリフレッシュなんて良いかもしれないな……」
でも、有給を取りたいと言えば大丈夫。大丈夫なんだが上司や同僚に理由を聞かれるのが嫌なんだよな……。
それで遊んでる時間が有ったら仕事だとか。俺の経験なんだって言ってくる。
「それに残業が経験に必須になるっておかしいだろ本当に……」
それに同僚の内田がからかってくるんだよな……。
内田と言うのは今年に配属された年下の女子だ。
今日もちょこっと休んでいたら恋愛相談の話とかされて危うく姫と同棲しているって言いそうになった。
未成年と同棲なんて笑い話にならないからな……。出来るだけそれは避けたい。
「だけど物覚えは良いんだよな……」
そう、仕事は出来るんだだからそれだけに集中して欲しい。
そんなこんなを考えている家に到着した。
「ただいま……」
すると足音が聞こえてくる。
「お帰り大輔」
「ただいま姫」
姫が首を傾げて顔を覗いていた。
「お風呂とご飯どっちが良い?」
そうだな出来れば温かいうちに食べたいな。
「ご飯をお願いしても良いか?」
姫が頷いた。
「了解。すぐに待ってて用意するから」
キッチンの方に向かって行きテーブルに座るとこれまた旨そうな牛丼が出てきた。
「おお、旨そうだ」
「じゃあ食べよう」
手を合わせ食べてと、これも醤油が良く絡んでいた豚のしょっぱさと玉ねぎがマッチしていて美味い。あぁ……本当に幸せだ。
「美味い……」
「良かった」
あっという間に食べ終え風呂に入り数十分後に出た。
湯船に浸かったおかげで肩はだいぶ楽になったはなったか……。
「姫。風呂空いたぞ」
「はーい了解」
雑誌を読んでいた姫が着替えを持って入れ替えで風呂に向かった。
腰を伸ばすとゴキゴキと音が響く。
「あぁ……イタタ。少し横になるか……」
ベットに横になり少しストレッチをする。
本当にデスクをやってると集中しすぎて猫背になるのが原因なんだよな……。
「パソコンか……」
大輔は自分の机のパソコンに目を向けた。
「昔は良く描いていたが結局仕事が忙しすぎて描いて無いんだよな……」
明日は休だしデジタルでも描いてみようかな。
今は体を休めたくて目を瞑った。
頬の方を何かに突かれ歯茎に当たった。
目を覚ますと朝になっていて姫の顔が目の前だった。
「大輔疲れてる」
「まあな……」
朝ごはんを食べているが首と肩の間のところが昨日の疲れが溜まっていた。
軽く首を回すと先に食べ終わっていた姫が首を傾げていた。
「大輔。体痛いの?」
「あぁ、最近酷くてな」
今日は絵を描くって言ったがまずはマッサージ屋に行くか。でも動くの面倒くさいんだよな……。
すると姫が肩を掴み両腕で揉み出した。
「うわ、硬い!」
「凝ってるだろう」
「うん。ねえ私がマッサージしてあげようか?」
「良いけど出来るのか?」
「うーん。ちゃんとは出来ないかも知れないけどやっても良い?」
せっかく姫が言ってくれたからご好意に甘えるかな。
「じゃあ頼む」
出来るだけ朝飯を食べ床に横になった。
「じゃあ始めるよ」
姫の小さな手が俺の肩幅の所に手を当て揉み始めた。
「おぉ!」
とはいえ小さいながらも俺の凝ってる所を的確的にやっていて思わず声が出てしまった。
それにしても上手い。
「あぁ、そこ……」
親指と手のひら交互でもまれてる。
「姫、誰かにやってたのか?」
「ううん初めてだよ。どうですかお客様」
「気持ちよ……」
背骨の横の腰を左右に押された所が丁度ツボだった。
「おぉ! そこそこ……」
そして腕や太ももの所を押されて気持ちが良い……。
2分ぐらいマッサージをしてくれた。
起き上がると本当に体が軽くなった。
「おぉ。軽い」
マッサージ屋で上手い人にやってもらったぐらい体が楽になっていった。
「上手いな姫」
姫はピースをしていた。
「やったね」
こんなにやってくれたんだお返しに肩でも揉んであげるかな。
「お返しに肩でも揉むよ」
「大丈夫だよ。と言うか肩は凝らないし」
あぁ俺も高校の時なんて肩こりとは無縁だったな。
それにしても本当に楽になった。
「ありがとな楽になったよ」
姫が笑っていた。
「えへへ。また揉んで欲しかったら言ってね」
「あぁ頼む」
今日はパソコンで絵でも描くか……。
椅子に座り電源を入れた。
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