「……これから頑張らないとな」
デスクトップの電源つけ板タブレットのUSBを付けた。
「まだ動けるよな……」
動作を確認してみたらまだ認識があって壊れてない。
「よし」
絵を描くツールソフトのクリップスタジオを開き絵を描き込んでいく。
だけど最近。本当にデジタルで絵を描いてないせいで線がブレていた。
「本当に腕が落ちているな……」
よく描く人は一週間怠けてたら取り戻すのに一ヶ月分の差が出るっと言うが本当だった。
仕事とかで丸一ヶ月デジタルで描いていない。
でも今日は本当に調子が良い。
前の感覚を取り戻すため集中する。
「……前の線てどう描いてた?」
まだあやふやなところは前の絵を見て。こう描いていたと記憶を蘇らせ過去の自分の絵に負けないように挑戦する。
中には自分の描いた絵は下手だとか何処が悪かったところを改善するって言っている声がいるが。
俺は自分の絵は自分であり過去の自分は他人であり挑戦してみろと言ってる気がするからだ。だから自分には負けられないからこうして過去の絵を見る。
それが俺のやり方だ。
今回はメイドを描いていていると姫が覗き込んでいた。
「大輔。なに描いてるの?」
画面をジッと見ていた。
「上手すぎ……」
「ん? そうか?」
まだ下書きだがまだ未熟だと思う。
「本当だよ。ねえ大輔。絵をもっと上手くなる描き方を教えてよ」
姫が抱きついてきた。
あ……柔らかい……。
胸の膨らみの方に意識が飛んでいってしまい。集中力が途切れてしまった。
「わかったから胸が当たってるから」
すると姫はわざと胸を頭に埋めてきた。
「それなら教えてよ!」
まるで水風船みたく柔らかい物がボヨンボヨンと跳ねて当たる。
「教えるから離れてくれ!」
これ以上刺激されると話そうと思っている内容がまとまらなく。
「わかった」
姫の胸が離れていく。
「ふぅ……」
まだ下書きを塗り絵になってないから丁度いいか。
デートをコピーして説明し画面の顔の部分を拡大する。
「まずは顔の場合は十字を描いてから顔を決める」
「十字?」
「そう、顔の線を決める時の縦線は鼻のラインと口を決める」
マウスを動かしながら線の部分の場所を教える。
「ふむふむ」
「次は横の線は目の位置。大体これを決める」
すると姫が俺が昔使ってなくて譲ったスケッチブックを手に取り線を描いていた。
「こんな感じ?」
絵を見せると今メイドを描いてる目線と同じ感じで描いてる。目線は一緒だ。
「そうそう。あと目と口の大体の長さは逆二等辺三角形が良いと言われてる」
「二等辺三角形?」
「そう。大体は両目、口は二等辺三角形を意識と十字の線を描いてみてそこから修正をする」
新しいページを開き見本を見せて姫にレクチャーする。
「おお! 凄い」
姫の目が輝いていた。
こうして教えていて自分の知識がどこまで伝えられるのか不安なところではあったがちゃんと伝わっているようで良かった。
けど姫の首が傾げていてこっちを見ていた。
「ところで大輔が今描いてるパソコンってどうなってるの?」
「ん? あぁこれ? この板を通してパソコンに読み込んで描いている。簡単に言えばゲームのコントローラーと一緒な感じだな」
姫がスケッチブックを置き寄ってきていた。
「私も描きたい!」
本当に子供みたく夢中になってた。こんな風に興味を持ってくれるのは良いことだな。
「試しに描いてみる?」
「良いの!?」
「あぁ。良いよ」
場所を交換して姫はデジタルペンを持った。
描き始めるが線がいきなり右に走っていった。
「え、どうして!」
「まだデジタルに慣れてない事と線を真っ直ぐに描く練習を出来てないからかな」
「もう一回」
線を引こうとするがまたブレていた。
「うん。ごめん無理」
「諦めるのはや!」
「私にはまだ経験が足りないんだなってわかったから。だから大輔先生教えて下さい」
姫が頭を下げた。
「わかった。俺もこれからはしっかりと教えるから。ごめんな教えられなくて」
「ううん。大丈夫。それで他にも絵を見てもいい?」
「良いけど下書きとか未完成が多いのばかりだぞ」
姫が頷く。
「良いよ大輔の絵を頑張って自分の物にしたいんだもん」
そっか今更ながら俺は姫の教え子で憧れているんか。
「……これから頑張らないとな」
姫のために自分の絵を頑張って描いていこう出来たらピクシブに上げて見ようかな。
「良かったら見て欲しいな。なんか変な所があったら言ってくれ」
姫が敬礼した。
「了解」
再び画面に向かい絵を真剣に向かって見ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます