「つまり私が好きな匂いってこと」

 予定していた2日間とは違い。三日間の泊まり込みを終えて、家に帰った頃には悲鳴を上げて体が全体が痛い。

「あぁー肩が上がらない……」

 おまけにデスクで、ずっとパソコンと目の奥がズキズキとする。

 家に着きドアを開けた。

「お帰り大輔」

「ただいま姫……」

 姫が迎えに来て抱きしめた。

「スンッ、スンッ。大輔汗臭いね」

「あまり嗅ぐな……」

 こっちは丸三日間、風呂に入ってないんだ。

 けど姫が離れなかった。

「離してくれ姫。ほら汗臭いだろ」

「平気だよ。それに大輔の臭い嗅ぐと仕事。頑張ったんだなって思える汗の匂いだもん」

「なんだそれ?」

 姫が笑っていた。

「つまり私が好きな匂いってこと」

 この臭いが好きって……。自分で嗅いだことあるが、男の汗臭さで嫌な臭いなんだけど。

「それにこうして大輔の顔見れたことが嬉しいから少しだけギュッてさせて……」

 そうして姫は手を回してきて少しきつめに抱きしてきて。胸のところで何度も左右を頬ずりしてきた。

「大輔! 大輔! 大輔! 好き!」

 なんども名前を連呼されると嬉しいが恥ずかしい……。

「ふぅ……。それじゃあお風呂沸かせてくるね」

「あ、あぁ……」

 本当に可愛いぃ!!

 姫が離れて脱衣所に向かって行き数分後風呂が沸いた音声が流れていた。

「それじゃあ風呂に入ったらご飯にする?」

「そうしてくれると助かる。あ、先に食べてて構わないから」

 すると姫が顔を膨らませていた。

「それは嫌だ。大輔と一緒に食べたいんだから。ね?」

「ありがとな姫」

 下着を持って行き脱衣所に向かった。

 裸になり体の汚れを落としてから湯船に浸かる。

「あぁ……」

 3っ日ぶりの風呂で体の芯から温まってきていき自然と声が出てしまう。

「溶けてしまいそう……」

 そのままお湯と同化して数十分ずっと浸かっていた。

 温ったけえ……。


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