「大輔の背中が魅力すぎで抱きしめています」
師匠に液タブを貰ってから数日が過ぎ7月になった。
いつも通り仕事を終え。風呂に入り終えリビングで少し休憩をとっていた。
「かゆっ!」
背中が異常に痒い……。
腕も刺されてしまい腕をかいてしまう。
近くで飛んでいる蚊の音が聞こえてきた。
「蚊か……」
夏といえばこの時期なのだが耳元で囁かれるのは嫌だ。
俺は立ち上がり両手で構え、蚊が良いタイミングのところで一気に手を叩く。
「……あ、逃げやがった」
蚊を追いかけパン、パン、パン! 手を何度も叩き、遠くから見たらアクロバットで拍手しているかのようだった。
すると姫が近づいてきた。
「何しているの大輔?」
「蚊に刺されたんだよ」
「大輔も?」
蚊を目で追いかけながら姫の話を聞いていた。
「あぁ腕と背中を刺されてかゆい」
「私も胸を――」
「よっと!」
パンッ!
ようやく蚊を仕留めることに成功した。
「ふぅ……。かゆ、薬、薬……」
かゆみ止めを持って服を持って脱いだ。
「とっ」
「――っ!」
テーブルに座り込み背中に刺された場所を塗ろうとしキャップを開けて背中の方へ腕を回した。
「と、届かない……」
肩が凝っているせいかかゆみ止めが届かない……。
あと少し、あと少しで届きそうなんだ……。
でも届かないもどかしさが出ている。
「あの大輔」
「ん?」
姫が近づいてきた。
「塗ってあげようか?」
「お願いしようかな」
「はい……」
姫の方にかゆみ止めを渡し、背中を姫の方に向けた。
「……」
ギュウ!
「――っ!」
俺の胸元のところに細い腕と小さな手が包まれ、背中には柔らかい圧迫感なものが押し付けられていてた。
そして耳元には、
「ハァ……、ハァ……大輔」
と姫の吐息が色っぽく囁かれていた。
「ちょっと姫!?」
思わずのことにドキッとしまう。
「なにをしているんでしょうか?」
「大輔の背中が魅力すぎで抱きしめています」
即答だった。
ずっと抱きしめられ心臓の鼓動が速くなっていく。
「大輔の心臓の鼓動が速くなった」
「それはな……。こんな魅力的な彼女に抱きしめられたら」
「――っ! そっか」
姫はどこか嬉しそうな声になっていた。
「ありがとう。充電完了したよ」
姫の拘束を解かれかゆみ止めを塗って貰った。
「おぉ……!」
かゆみ止めのヒンヤリとした液体が塗られ変な声が出てしまった。
「そんな色っぽい声を出さないでよ大輔。私が興奮しちゃうよ!」
興奮されても……。
そう言おうとしたけれど、任せているから何も言えなかった。
腕のところも塗りひと段落した。
「ありがとう」
スーとミントみたいな感覚で痒いのが感じない。
「そういえば姫も痒いところがあったって言ったよな。腕とかだったら塗ってあげようか?」
「えっ……?」
なぜだか姫の顔が赤くなっていた。
「ん? どうした」
「いやその、胸をやられまして」
「えっ……」
胸っ?
俺は腕だと聞いていたんだけど。
「そっか悪い腕だと勘違いをしていた……」
胸だったら自分でしたいだろうな。
「まあ自分で――」
俺が立ち上がろうとした瞬間。姫が俺の服を掴んできた。
「大輔に塗って欲しいです」
「えっ⁉」
「うん。素敵な彼氏にやって欲しいです」
大きく頷く。
「えっ。おぉ……」
素敵な彼氏と言われ思わずたじろいでしまう。
「……はい」
姫からかゆみ止めを受け取る。
そして姫は肉のプリントTシャツを脱ぎ始めた。
「んんっ……」
水色のブラジャーが丸見えだった。
やばい……興奮してしまう。
姫は座り込んだ。
そうだ薬を塗らないと……。
「えっと……」
どこが痒いのか分からなかった。
「あっえっとね。谷間のところ」
自分の胸を指でさしていた。
谷間をよく見ると赤く膨れ上がっていた。
「わかった」
俺はかゆみ止めを姫の胸元に当てた。
「……あっ。――あっ!! スゥスゥする!」
「―――っ!」
声一つでもう極限状態になっている。
落ち着け、落ち着くんだ俺!
「……」
無理だった。彼女にムニっと柔らかいツヤ肌が目に焼きつてしまい。姫のブラからその先が見えるのではないかと希望を抱いしてしまう。
いや、落ち着け俺。
俺は一旦深呼吸をし、塗り終えかゆみ止めのキャップをしめた。
「どう?」
「なんかすっきりした」
「そうですか」
姫は軽く肩を伸ばしていた。
「ありがとう塗ってくれて」
「……はい」
そのまま姫はTシャツを拾い上げたのを着てゴロゴロとしていた。
俺はというと体が以上に熱かった。
「熱っ……」
今、体が熱いのを冷ますために俺もゴロゴロとすることにした。
今夜は夏のせいで体が熱く眠れなかつた…………。そうゆうことにしておこう。
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