「このまま。手を繋いでデートしたいな今日と明日も」
清水寺に到着しタクシーから降りると目の前には大きな門が開いていて人が出入りしている。
玲が向こうの方を指していた。
「この先? 清水って」
「確かだけど……」
やっぱり記憶があやふやで覚えていない。
「行こう大輔!」
いきなり姫が手を握ってきた。
「うぇ!?」
急に手を握られて変な声が出てしまう。
「大輔。顔が赤いよ」
「……いや急に手を繋がれるなんて」
温もりと細くて柔らかい手の感触が凄い女の子ってこんなにも柔らかいんだ……。
姫はこっちの表情を見るとニヤニヤと笑い顔をしていた。
「このまま手を繋いでデートしたいな。今日も明日も」
そう言って姫は肩を俺の二の腕に当ててきて猫みたいに甘えてきた。
「……」
さっき言った今日と明日も言われたが、ずっと手を握られて平常心で喋れるかどうか不安だ。
「その……恥ずかしすぎて言葉とか途切れ途切れになるぞ……」
姫も驚いたような表情をしていて微笑んだ。
「いいよ。もし、途切れても私は大輔と手を握って喋れるのがいいから。それに困った表情の大輔を見れて眼福だから。よし、よし」
うんうんと頷くなんて可愛いがこっちが困ったのを見て楽しむとは、そういったのは見せないようにしてやる。
「ほら行くぞ」
こっちが腕を少し強引に引っ張って歩き出す。
「わお! 大輔と新婚旅行でこんな積極的なんて」
そんなよそ見をしていたら対向者にぶつかってしまいそうになる。
「ほら、人にぶつかるからもう少し寄ってくれ」
自分の方に姫を寄せた。
「――っ! う、うん……」
そこから少し歩くと胎内めぐりと書かれた看板が目に入った。
「あ、胎内めぐりだって大輔」
「おぉ、あの暗いやつ」
ここの場所は修学旅行で覚えている。暗くって手綱を頼りに歩いたな……。
「入ってみよ」
「はいよ」
中に入ると本当に真っ暗で手綱をしっかりを握りしめる。
「ねえ大輔。こっちで合ってるの?」
「多分……」
方向感覚が分からず前に進んでいるのか分からない。
「あ、明かり」
一点の方だけ明るくそこに目指してみると一文字が書かれた場所に到着した。
「じゃあ回そう」
姫と一緒に石を回し願い事をする。
これからも姫と居られますように……。
願い事を終え一度外に出て歩くと大広間で広がっており学生やお年寄りとかが大勢いた。
「ここが清水か……」
下を見てみると絶壁に建っており下には防壁みたいな木の柵が置いてあった。
「転落してあれに刺さったら死ねかもしれないね……」
「そうだなここから落ちたらヤバイかもしれない」
姫が首を傾げていた。
「そういえばよく聞くけど清水の舞台から飛び降りるって言うじゃない」
「ああ、よく聞くな」
確か意味は決断とかだけど。
「じゃあ大輔。ここから飛び降りてみる?」
「恐ろしいこと言うなよ……」
「大丈夫! 大輔なら出来る」
「やらないわ!」
ここでその決断じゃなくて他のことで決断させてほしい。
一呼吸を置いて気持ちを落ち着かせた。
「……ふぅ。それで写真はここで撮るか?」
「うん」
姫は頷いて近くの人にスマホを渡してこっちに来て写真に向いた。
「すいませんもう少しくっついてくれませんか?」
「あ、はい分かりました」
姫が俺の腕にしがみ付く。
のぉ!! 胸! 胸がダイレクトに来ている。
カメラ目線よりも顔の方が気になってしまう……。
「それではいきますね……」
カメラの人が合図をし、
カシャ!
写真を撮って再び姫に渡してその場を去って行った。
会釈し写真を見てみると俺が少し不器用な笑いになってしまっていた。
「やっちまった……」
その写真を見ていた姫が笑っていた。
「ぷふっ。変な顔」
「ちょっと姫ちゃんどうゆうことだい?」
こっちの威圧的な感じを悟ったのか手を握って引っ張ってきた。
「ほら大輔。次は水でも飲もう」
「急に手を引っ張るなって!」
音羽の滝に並ぶと人の行列になっていた。
「凄いね人だね。みんな恋愛なのかな?」
「どうなんだろうな?」
恋愛も入れて三つ他にも学力と長生き、上昇のどれかだ。
学生もいるから恋愛と学力のどちらかだろうけど。
「姫はどれにするんだ?」
「うーん。今は長生きのやつかな」
「俺もそれにしようかな」
順番が来て水を飲み干す。
二人してきた方の門に戻っていく。
「次は何処行くか?」
「うーん。一度ホテルに行きたい。足がパンパンだよ」
「そうだな朝からずっと起きているわけだしな」
そう朝から起きているから少し疲労がある。
「昼飯にしてから行くか」
「やった!」
またタクシーを捕まえてオススメはと聞くとうどん屋と聞かれてそこに案内してもらった。軽く食事を済ませて予約してあるホテルに向かった。
タクシーから降り運転手に大輔は会釈し姫は手を振りそのまま見送た。
「チェックインしてくるから」
「ほーい」
受付を済し鍵を貰ってロビーの方で待っている姫に向かう。
「じゃあ、行くか」
「ほい」
部屋に入り荷物をそばに置いた。
「あー疲れた……」
姫がさっそく布団にダイブしていた。
俺はソファーに座り込みテレビを付けた。
「そういえば大輔、大輔」
「ん?」
軽くストレッチをしていると姫が聞いてきた。
「ここって水着で混浴あるみたいだけど一緒にどう?」
「……ふぁ!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます