「また、二人で行こうな」

 次の日。姫に起こされた。

「だーいすけ。朝だよ~」

「んんっ……」

 体を起こすと体中が痛い……。

「イタタッ!」

 腕と足がパンパンで筋肉痛だ。

 昨日、卓球をやったのが原因かな。普段、体を動かすなんてしないから。

「大丈夫?」

 姫が俺の頬を突っついてきた。

「ダイジョバナイッ。姫は体は痛くないのか?」

「う~ん……腰がちょこっと痛いかも」

 姫も腰の方に手を当てて自分の体を摩っていた。

 そうだよな。

「今日は午前中で帰るか?」

 姫が頷く。

「うん、そうだね。午後に家に着くから丁度いいかもしれないね。じゃあ、食べに行こう」

 食堂の方に降りて朝食を取った。

 そして部屋に戻り。荷物をまとめて、忘れ物をないか確認する。

「姫、そっちはなにか忘れてないか?」

「ううん。忘れてないよ大丈夫」

「じゃあ、行くか」

「うん」

 部屋の鍵と浴衣を返却して、外に出た。

「食べ歩きとかしない大輔?」

「そうだな。良いかもな」

 姫と一緒に下町の方へと歩っていく。

「おっ!」

 すると姫は一ヶ所の看板に目を向けた。

「見てみて、宇治抹茶ミックスだって」

「おっ! 美味そう。」

「ね。大輔もこの抹茶ミックスにする?」

「これにしようかな、美味そうだし。すいません」

 店員さんに宇治抹茶ミックスソフトを二つ頼んで姫にソフトアイスを渡した。

「ありがとう。見て、半分、凄い緑だよ」

 姫の言う通り。ソフトの半分はバニラともう片方は薄い緑になっていて、中に粒の小豆が顔を出していた。

「どれ、さっそく」

 一口食べると抹茶の苦みと小豆の甘み、そしてバニラの牛乳のコクが苦みをまろやかにしている。

「美味しいね大輔」

「あぁ、美味い」

 姫がしゃぶりついていて口の周りが抹茶が付いていた。

「姫、口のところ凄いぞ。サンタになってる」

「そうゆう大輔もサンタさんになってるよ」

 指で口元をぬぐうと抹茶が付いてる。

「ホントだ!」

「二人揃ってサンタだね」

「だな。あははっ!」

「ねー。ふふっ!」

 本当に見てるだけで笑ってしまう。

 ソフトを食べ終え。他の店をぶらぶらと見て回っていた。

「あー! 面白かった」

「そうだな。じゃあ今日はここらへんで切り上げるか?」

「うん、そうだね。楽しかった!」

「それは良かった……」

 タクシーを呼んで駅の方まで行き。

 そして新幹線で乗り込んだ。

「……なんていうか、あっという間だったね」

「そうだな……。あまり観光っていうほど観光は出来なかってけど……」

 姫がこっちを見ると首を傾げていた。

「そう? 私は楽しかったよ。金閣寺が眩しかった」

「確かにな、目がやられるかと思ったもんな」

「そうそう! それ思った。……二人で、また旅行に行こうね」

 こうして仲良く。のんびりとしながら旅行も悪くないな。

「そうだな。また、二人で行こうな」

「……うん」


 

 

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