「ありがとう。買ってくれて……。えへへ」

 別の日。夕飯を食べ終えてアニメを見ているとケーキCMが流れていた。

「あ、このケーキ美味しそう」

 テレビを指をさし、目を輝かせていた。

「ん? これ食べたいん?」

「うん! 物凄く美味しそうだったよ。もうすぐ6月だし、お小遣いで買って食べよう」

 ウキウキと微笑んでいてヤジロベーみたく左右に揺れて可愛かった。

 いつもお世話になっているし明日、買ってくるかな。


 ◇


 明日になり。

 1時間だけ残業になってしまった。

「ケーキ屋に寄らないとだな」

 急いでケーキ屋寄って。姫が食べたかった商品の棚に向かった。

「……これだよな」

 スマホと見比べながら二つ。自分の分を合わせてお会計を済ませ、アパートに帰った。

「ただいま~」

 いつもの姫の足音が聞こえてて駆け寄ってきた。

「お帰り~大輔」

 姫に渡そうかな。

「はいコレ」

「ん、なにコレ?」

 買ってきた袋を受け取って袋を覗くと予想通り驚いてくれてた。

「……え⁉ ウソ。これって昨日言ってたケーキ。……良いの大輔」

「あぁ、いつもお世話をしてくれてるお礼だよ。ありがとうな姫」

 姫の頭をポンポンと優しく撫でた。

「お風呂。湧いてるんだっけ?」

「う、うん」

「お風呂先に頂くよ」

 自分の下着を取ろうと歩くと姫にスーツを引っ張られた。

「ねぇ、大輔」

「ん?」

 姫の方を振り返る顔を赤くして袋を握りしめていた。

「夕飯食べたら一緒にケーキ食べない?」

「うん、食べよう一緒に」

「……ありがとう。料理の方。大輔が出たら用意しておくね」

「うん。ありがとう」

 そのまま風呂でさっぱりして、夕飯のカレーを食べつくしてしまった。

「あぁー。美味かった」

「えへへ、それはよかった。じゃあ、ケーキ食べる?」

「うん。食べよう」

 冷蔵庫からケーキを取り出して。フォークで一口サイズにして口の中に放り込んだ。

「うん。……あま」

 生クリーム程よい甘さとスポンジ生地の柔らかさが伝わってきて、仕事終わりに甘い物は本当に癒される……。

「美味しいね大輔」

「だな……美味い」

 姫がニコッて笑った。

「ありがとう。買ってくれて……。えへへ」

 この笑顔が、……うん。

「良かった。そう言ってくれて」

 好きだなっと改めて癒しになる元だなと感じるのだった。

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