「手伝って欲しいときに「手伝って欲しい」とすぐに言える二人だろ」
前に凪からおすすめのラノベを教えてもらいそれを読んでいたら内田が立ち上がっ急に言ってきた。
「ということで私と姫ちゃんで泊まり込みと言ったらカレーでしょ! を作るので待っててくださいっす!」
スマホで時間を見てみると17時42分と表示されていた。
釣り雑誌を見ていた大野が内田のことをジッと見ていた
「……今更なんだが内田って料理出来るの?」
「出来るっすよ大野先輩、一人暮らしする前にお姉ちゃんに料理とかの味見をしてもらっていたからいけるっすよ」
「へぇ、内田ってお姉さんがいるのか」
「そうっすよ」
内田に姉がいるなんていうのは初めて聞いたからビックリだ。
「……お姉さんいるんだな」
「はい。センパイは兄妹とかって居ないんですか?」
「俺は一人っ子だよ」
「えっそうなんですか! 以外っすね。しっかりしているから兄妹とか居るのかなって思ってました」
「んっ……。まあ姉みたいな従姉とか姫のことも妹のように思っていたから……よくわからないけど」
姉妹の話を聞くとやっぱり羨ましいなって思えてしまうな。
姫の方を向くと笑顔で微笑んでいた。
「……うん。私も大輔のことお兄ちゃんみたいに思っているよ」
そして姫が内田の方に歩いていった。
「だから美味しいの作るから待っててね大輔」
そして笑顔で微笑んでいた。
「行こうすみれちゃん」
「はーい。じゃあ期待しててくださいっすね!」
そのまま二人はキッチンの方に向かい料理を始めた。
「それじゃあ人参とジャガイモ洗ってすみれちゃん」
「はーい」
「……」
姫が付けているエプロン猫が描かれていて可愛かった。
凪から受けた依頼……。
ふと凪から受けたイラストのことが頭に過った。
この泊まり込みのために仕事ばかりやっていたが凪のと丸山のイラスト。あれ以来描いてないんだよな……。
帰ったらまずは凪のから仕上げようかな。
気持ちを胸にキッチンの方を見てた。
「姫ちゃんコーンってこれくらい?」
「うん。それくらい」
……なにか手伝った方がいいのかな。
立ち上がろうとした瞬間大野に声をかけられた。
「んっ? どうした」
「なんか手伝ったらいいのかなって」
「んー」
「隠し味にこれを投入……」
「あっカレーに入れちゃうんだ!」
「これで美味しくなるよ姫ちゃん」
大野はキッチンの方を向いていた。
「大丈夫じゃないか? 三人とか四人以上居てもかえって邪魔になってしまうから内田とか姫ちゃんが呼ばれたらその時に行けばいいよ」
「……それでいいのか」
「それでいいと思うぞ。それに手伝って欲しいときに「手伝って欲しい」とすぐに言える二人だろ」
俺はもう一度キッチンの方を見ると二人仲良く料理をしていて、姫が楽しそうだった。
「……そうだな」
俺はラノベの続きを読みながら二人のことを見ていた。
◇
「出来ました!」
「おぉ……」
姫と内田特製カレーがテーブルの上に並べられていた。
「さあ食べてくださいっす!」
「それじゃあ……」
「「それじゃあいただきます!」」
みんなで手を合わせてカレーを一口スプーンですくい食べた。
「……おぉ」
鼻を突き抜けてくる香りのスパイスが漂ってきてくる。野菜のじゃがいもがホクホクでコーンのツブツブがたまらなかった。けど味が凄く濃いが辛さが丁度良かった。
「……美味いな」
「本当、いい味……」
「えっ本当大輔!?」
姫がキラキラとした顔で見てきた。
「めちゃくちゃ美味い」
「やった!」
「やったね姫ちゃん!」
「うん! すみれちゃんのチョコ入れよって言ってくれたのが良かったね!」
姫と内田がその場でハイタッチしていた。
「えっこれにチョコなんか入っているのか?」
大野が首を傾げると内田が頷いた。
「そうなんすよ。前にセンパイが大野先輩からチョコを大量にくれたじゃあないですか」
「……あぁ、残業のときに渡したチョコ」
前に大野から大量にチョコを貰ったのを内田にもあげたんだよな確か。
「そうッス。次の日にカレーにチョコを入れたら美味しくなるって実践したら美味しかったのでセンパイ達が喜んでくれて良かったっす。それとさっきのバーベキューの肉も入れておきました」
「はぁ……」
大野がカレーの方をジッと見ていた。
「チョコにカレー入れると美味くなるんだな。今度やってみるか」
そしてまたカレーを食べる。
「うん。美味い」
それから何度もおかわりをしてしまった。
「苦しい……」
「俺もだ」
俺と大野は同じく腹を触って何度もカレーを食べて動けなるかと思ってしまうほど食べていた。
「食べた。食べた」
内田も同じくお腹を触っていた。
「……あの。みんなでこの後やりたいことがあります」
すると姫が手を少し上げて挙手していて大野が首を傾げていた。
「んっ? やりたいことって何かな姫ちゃん?」
「……えっと、花火を買ってきたのでみんなで遊びたいです」
「花火?」
「あぁ……」
姫と水着を買った日。同じく花火を買っていたんだった。
「やりたいんですけど良いですか?」
すると内田が頷いた。
「いいね姫ちゃん。やろう」
「そうだな。みんなで花火で盛り上がるか」
「……っ!!」
物凄く姫の目がキラキラと輝いていてまるでまだ子供のようだった。
「それじゃあ川の方に移動しようか」
大野が頷いた。
「そうだな。そっちの方が花火が綺麗に見えやすいな」
「賛成!!」
「うん!」
姫が花火を持ってきて俺たちは川の方へと移動した。
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