「……でも、カッコよくって好き」

 姫はお風呂の方に向かっていった。

「じゃあ、丸山のキャラデザやるかな……」

 俺はパソコンの電源を付けて、椅子に寄りかかる。

「……そういえば。他の特徴って聞いてなかったな」

 特徴と言うか外見の案を聞くのを忘れていた。

 アイツの場合は女子教師が制服を着てても良いとか。ナース服のお姉さんが制服に着替えたらOKっていうやつだから。個性に統一性がないから難しい。

「でも、丸山のことだから、とりあえず巨乳にしておけばいいな」

 そしてクリスタを開いて思いつく限り描いていく。

「――っ」

 楽しいな……描くのって。

 アカペラでノリノリに鼻歌を歌いながら描いていく。

「大輔。何しているの?」

「ぬぁ!」

 姫に肩を掴まれ、姫の胸が俺の頭に当たった。

 やわらけぇ……。

「丸山に頼まれた。キャラクターデザインを描いていたところだよ」

「そうなんだ……」

 そして姫がパソコンの方をずっと見ていた。

「なんか胸が大きい女の子で、制服の女の子ばかりな気がするんだけど……」

「……まあ、人それぞれの個性なんだ。姫」

 そして姫がパソコンの方を指さしてきてた。

「大輔はおっぱいがデカい女の子が好きなの?」

「まあ……好きです。と言うか姫も十分だと思うけど?」

「――っ!?」

 姫が顔を真っ赤にしていた。

「えっとありがとう……。私の胸。好きなの」

「大好きだよ。姫の全部。性格も外見も、表情も好きだし」

「もう……! 私も大輔が大好きすぎて可愛いよ!」

 俺の髪をいじくりながら触られてきた。

「隙やり!」  

 そして横が側によってキスをされた。

「にしし。唇、奪っちゃった」

 この笑顔が可愛すぎる……。 

 姫の腕を引っ張って二度目のキスを奪った。

「――っ。大輔……可愛い過ぎるよ」

「姫の方が可愛いよ」

 俺は姫の頭を優しく撫でた。

「それで……制服の女の子。描いているんだよね?」

「あぁ……色々とな。けど案がなくって。水色の制服だからな。どれが似合ってるのか分からないし……」 

「ねえ大輔。私が制服を着てきてこようか?」

「ありがたいけど、湯冷ましして風邪引いたら困るしな……」

「そっか……」

 ショボーンと落ち込んでしまった。

「ありがとうな姫。そのまた今度、お願いしていい?」

「うん」

 姫が頷いた。

「……ねえ大輔? もう一個質問してもいい?」

「ん? なに」

「おっぱいってどう描くの?」

「……」

 ん? 聞き間違いかな。

「もう一回聞いてもいい?」

「大輔のおっぱいを触りたい」

 明らかにさっきの言葉じゃないな。

「違う言葉が混ざってんぞぃ」

 姫が首を傾げていた。

「え? 間違ってた?」

「間違えてるだろ」

「冗談、で? おっぱいってどう描くの?」

「うーん」

 その返答は迷うな……。

 姫のを毎日、観察して上達したって言えない。

「大体のことだけどいい?」

 姫が頷く。

「うん。良いよ」

「女性の胸の描き方だけど、水風船をイメージしながら描くって言われてるんだって」

「水風船? 風船じゃなくって?」

「うん。本当の胸も重力があって下がってるだろ?」

「ほうほう」

 姫が自分の方の胸を見ていた。

「だから絵を描くときは少し重力をしながら胸を描くって言われてる。膨らんだ状態だとバランスが変になるんだって」

「なるほど、勉強になったよ。大輔ありがとう」

 そしてまた頭のところに抱きついて胸を頭に当ててきた。

「どう?」

「……好きです」

「えへへ、私も好き大輔」

 そして俺の鎖骨のところをトントンして遊んできた。

「やっぱり大輔の胸ないね」

「男だからな」

「……でも、カッコよくって好き」

「……ありがとう」

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