第5話求人募集も・・・・
吉法師は考えた。昨日も一緒に働いてくれるものを探せなかった。爺に邪魔された。何とかせねば。しかしこの暑さではこの小さな体は堪えられない。何か特別な力でもあれば良いのだが…そう考えた吉法師は思い出した。神様はチートな力を与えるとか言ってなかったか何分5年も前のことだ。よく覚えていない。神様に聞きたい。しかし問題がある。神に聞くと言えば定番は教会だ。しかし、未だキリスト教は普及してないだろう。キリスト教と言えば以後よく来る宣教師?1549年だ。もう来てるのか、まだ来てないのか不明だが近所で教会は見てない。教会が無いのならどこで神に祈るのだろう。お寺?いや違う。神社、そうだ神社だ、神のやしろと言うくらいだ。しかし、本当に神社で良いのか、だって神社って鐘を鳴らしてお金払って一方的に要望を吐露するだけの場所だし。取り敢えず、行ってみよう。爺に見つからないようにしないと。否、今日は連れて行って貰おう。
「爺、俺を神社へ連れていけ。」
「何ですか、その横柄な態度は。」
「お前らの教育がこうさせたとは思わないのか?犬が御手をするのは飼い主がさせてるわけだし。お手をしないのは教育してないからしない訳だし。俺が横柄なのはお前らが横柄にさせたんだ。お前らの所為だ。」
「何を訳の分からぬことをおっしゃててるんですか。」
「早く神社に連れて行けと言ってるんだ。」
「お願いしますは?」
「お願いしてやるから早く行け。」
「どこがお願いですか。分かりました。何しに行くんですか。」
「神社の歴史について勉強しに行くんだ。」
「若様。とうとう爺の言う事が分かったんですね。爺は嬉しいですぞ。」
「ほら、さっさといくぞ。」
「では、ちょっと遠出をして熱田神宮まで行きましょうか。」
「神宮?神のみやか?英語で言うとGod’s Palaceか?それは神社より効果が有りそうだな。」
「何を訳が分からない事を。きちんと日本語もしゃべれないんですか。」
「日本語だけでなく英語まで喋れるとは思わないのか。」
「
「昨日はうつけで、今日は大うつけか?酷くなってないか?自分が知らないからと言って、知ってる者を馬鹿にするのはバカのすることだぞ。わかってるのか?」
「もう、若の言う事は分かりません。本当に勉強して下さい。」
平手政秀と吉法師は盛夏の暑い日差しの中、馬に鞭打ち熱田神宮まで行くのであった。
「ところで、熱田神宮には信長塀って有っただろ?」
「は?そんなものは有りません。ハイ到着しました。爺はそこで茶でもご馳走になってますので、お賽銭はお持ちですか。」
「持ってないぞ、呉れ。」
やはり、日本の神は御金を払わないと祈らせてもくれないのか。ケチだな
「神様、応答せよ、応答せよ。」
「聞こえとるぞ、久しぶりじゃな。元気か」
「あの聞きたい事があって、来たんですが。」
「なんじゃ?」
「チートな能力が一切ないんですけど。」
「言い忘れておったか?ステイトコンファメイションと言えば目の前にAR表示されるぞ。使える魔法や、スキルがな。勿論ヘルプ機能付きじゃ。」
「あの、ここは日本なので剣術と銃を作るスキルが欲しいのですけど。他に大海を渡る船を作るスキル、空飛ぶ乗り物を作るスキル、それを動かすスキルが欲しいです。」
「剣術のスキルは既に持っとるぞ。後は製作系のスキルだな。土の中から金属を分離する土魔法。そしてその金属を加工する土魔法。出来た物に魔力を与えて飛ばしたり防御したりする付与魔法か。全て持っとるな。求めよさらば与えられん。じゃ。」
「もう一つ聞きたい事が有るのですが、あなたが殺した元の世界の十数名はこの世界に来てるんですか。」
「グサッと来ることを平気で言うなぁ。もう少しデリカシーを持った方が良いぞ。全員来ておるぞ、この世界に。数名が日本にいる。後は外国だな。」
「どうして俺が外国ではなかったのですか?」
「なんじゃ外国が良かったのか?」
「俺の夢は金髪ハーレムですから。」
「そ、そうか、がんばれよ。」
「もう一つお願いがあるんですが、ここに祭られてると言う「草薙神剣」が欲しいのですが。」
「あほか!自分で何とかしろ。しかも、あれはあまり切れぬぞ。儀式の為の剣じゃなかったか。それよりその時代だったらもっと良い剣があるぞ。三日月宗近とかな。お前なら良い剣はより取り見取りじゃないか。」
怒られた吉法師は通信を終え爺の待つ休憩所へと向かった。
「帰るぞ、爺」
「もうお済ですか。では戻りましょうか。」
そして馬に揺られながらうつらうつらと夢見心地の中で吉法師は思うのであった。
あれ?求人募集は?
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