第77話 もしかして近眼?治そうか?
一行はチナチアットから那古野城へ転移した。那古野城は相変わらず何事もなく平和であった。吉法師は此方に気付いて近づいて来た平手政秀を見つけた。
「若、御戻りでしたか。」
「おう、今帰ったぞ。明の皇帝と会ったぞ。」
「え?明の皇帝とですか?」
「そうだ。日本へ現在進行している。第一陣は10万人だ。」
「じ、10万人ですか?
「第一陣は信行が洗脳したから、今沖縄にいるようだぞ。」
「信行様も役に立つ事もあるのですな。」
「あのな、信行は明の軍を洗脳して一緒に日本へ攻め込もうとしていたんだぞ。ただ、皇帝が第二陣で攻め込むから兵を温存するために沖縄に引き返しただけだ。」
「なるほど。流石信行様ですな。期待を
「だろ?」
「爺、ご飯用意して。味噌カツでお願い。コーラもね。風呂に入ってから食堂行くから。」
「これは帰蝶様、相も変わらず。お綺麗で我儘ですな。」
「爺、一言余計よ(^--^#)ムム。」爺こと政秀は帰蝶に対して取り
「では半刻後でに用意させますので。それでよろしいでしょうか。」
「それでお願い。それと、あのセスナ、ダーリンが皇帝にあげちゃったからもう無いから。」
「え?あの便利な乗り物を明の皇帝に差し上げたのですか?」
「そうよ。だから、空に浮かんでるでしょ、あれよあれ、丸い物体。銀色と言うか金色の物体よ。見えないの?見えるでしょ?もしかして近眼?治そうか?もう少し上よ。見えた?まだ見えないの?あ、見えたの!?」
「あ、見えました。金色の楕円形のやつですね。」
「そうあれ。あれが新しい乗り物よ。今度爺も乗せて上げるわ。」
「降りてこないのですか。」
「デカすぎてお城に停められないし、浮かべておいて大丈夫だから浮かべてるの。それじゃ、お風呂入って来るから。行くわよ、ダーリン。昼から家具作ってね。」
部屋の前の露天風呂はいつでも掃除してあるのでお湯を溜めるだけになっている。入浴後に食堂へ行くと、池田恒興の母であり吉法師の乳母の養徳院がカツを上げ始める。食堂はエアコンが稼働しておりこの真夏でも涼しい。そして、吉法師らはコーラを飲みながら味噌カツが出来上がるのを待つ。
「やっぱり名古屋と言えば味噌カツだよな。」吉法師は味噌カツが大好きだ。
「やっぱり、矢場とん?おいしいよね。」帰蝶も味噌カツが大好きだ。
「俺はソースが食べたいな。誰かソース開発してくれないかな。」しょんぼりと政勝が呟く。政勝はソース派だ。
「千奈にお願いしてみたら?駄目だろうけど。」帰蝶はソースの事はどうでも良さそうだ。
珠と妻木は何も言わずに待っている。
十数分後味噌カツとご飯が配膳された。
「ねぇ、これからエリカ迎えに行って来るから。残りの家具宜しくね。」
ご飯を食べ終えた帰蝶はそう言うとチナチアットへ転移した。
一方、長尾景虎は、鶴城山に築かれた栃尾城で女性ながら強烈な真夏の日光が降り注ぐ中、昼飯も食べずに男に混ざって土木作業をしていた。彼女は昼飯を食べずに仕事をしていたのは、忙しいからではなくかなり食糧が不足していたからだ。将来において上杉謙信と呼ばれるこの人は今、餓え過ぎ謙信であった。
エリカこと長尾景虎は鍬を持ち、作物を作る為の畑を開墾していた。この時代、通常牛で開墾するのだが牛が近隣にいなかった為に自力で開墾している。その為、少々腰が痛くなってきた。
「あ痛たたあた、もう嫌‼信長にトラクター作ってもらわなきゃ。」エリカは叫んでいた。
「亜里紗はいつ来るの?もう、遅い!早く探しに行きたい‼もう、早く来てよ‼」帰蝶が来るのが遅いと叫んでいるが、単に、力仕事から逃げたいだけであった。
彼女が腰を伸ばして上を向くと上空に何かが浮かんでいる。楕円形下金色の物体が音もなく静かに浮かんでいた。まるで、海の底から海上に浮かんでいる船を見ているように。風が強いがその物体は上空に個体されてるかのごとく動かずじっとしていた。
「え?UFO?もしかして、攻めてきたの?ガミ〇ス?まさかね。はぁ、痛たた・・」
すると目の前に女の子が現れた。帰蝶だった。
「はい、エリカ。元気だった?迎えに来たよ。」
「あー亜里沙!もう、遅いよ。待ちすぎ、お腹空き過ぎ。ここ最近食料が取れなくて餓えてるの。何か食わせてよ。」
「えー、餓え過ぎ謙信なの?」
「誰が、餓え過ぎ謙信よヽ(`Д´)ノ。でも本当にお腹が空いたよ。ねぇ、あそこにUFO浮かんでるんだけど?この時代にも居るんだねUFO。」
「あれ?あれUFOじゃないよ。私の乗物。」
「え、セスナは?」
「ダーリンが中国の皇帝にあげちゃったのよ。」
「中国の皇帝?って、今どの時代?皇帝誰よ?」
「さぁ?知らない。でも積もる話があり過ぎるのよ。」
「え、何々?」
「ここ暑いから中でコーラでも飲みながら話す?その前にお風呂に入って。ちょっと臭いよ。」
「もう、勘弁してよ。こっちは野良仕事よ。ただの越後の更に地方の小さなお城の城主だから。信玄までは遠いよ。風呂はお城にあるけど狭いよ。温泉行く?」
「大丈夫よ。あれにお風呂ついてるから。」
「本当?エアコン着いてる?」
「付いてる、付いてる。早く行くよ。準備して。」
「ちょっと、時間頂戴。挨拶してくるから。」
「じゃあ、1時間で戻るから。それまでに全て済ませといて。」
「分かった。急ぐね。」
帰蝶は熱い地上を避けチナチアットへ戻った。
「千奈、1時間でエリカ迎えに行くから時間来たら教えて。それから、お風呂沸かしといて。」
『承知致しました。』
「ねぇ、おっきなモニター付いたけどテレビとかビデオとか見れないよね。」
『はい。テレビはもちろん見れませんが、2200年までのほとんどの映画やドラマや漫画のデータは入ってます。』
「ほ、本当に?じゃぁ見た事ないドラマや、遂に見れなかった〇ン〇ー〇の最終回も見れるんだ。」
『はい。島に行って・・』
「言わなくていい(-""-;)。自分で見るから。コーヒー出してモニターを私の部屋に付けて。」
『それは、まず私の分身のサイボーグを作成しないといけません。それにコーヒーは豆がありませんので、アフリカにコーヒーの木を採取しに行き、沖縄か南の島にコーヒー園を作るのが良いかと思われます。』
「コーヒーの焙煎の仕方とか分かる?」
『はい。データには色々な焙煎方法が含まれています。』
「便利ね。」
『そろそろ1時間経ちますが。』
「じゃあ迎えに行って来るわ。」
帰蝶はまた先程の開墾地近くのお城へ転移する。お城と言っても典型的な山城で天守閣は無く、広い屋敷と言った感じだ。何処にもいないので、散歩することにした。暫く屋敷の前の庭を散歩していると奥からエリカが出てきた。
「あ、探した?もう少し待って。そこ縁側に座って待ってて。御茶持ってこさせるから。」
「のんびり良いわよ。待ってるから。」
「御茶お持ちしました。どうぞ。ごゆっくり。」
和服を着た30代くらいの綺麗な女性が御茶を持ってきて勧めてくれた。
「あ、この人、私の母よ。母上様、この娘は織田の嫡男の奥方様です。」
流石に武家の棟梁が選ぶ女性だけあって美人であった。
「さすがエリカの母だけあって美人ね。」
「いえ、エリカという名前ではありません、景虎です。」
エリカが準備を済ませて縁側を駆け足でこちらへやって来た。
「もうそんな変な名前で呼ばないで。女なんだから。お待たせ。準備出来たわ。何時でも良いよ。」
「じゃあ、娘さんをお預かりします。」
「娘をよろしくお願いします。後は、弟が引き継ぎますので大丈夫ですよ。」
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