027/再会
「……取り敢えずこんなところでいいか?」
「そうじゃなぁ……吾も振らねば。」
「だったら……。」
結局そのままの流れで白の霊能力数値・能力の割り振りも実行。
話・食事・話・汗を流す・話・寝る。
そんな折角の街中なのにずっと話をして、漸くある程度決まった。
……前回もこんな感じだったな。
出立前に見ていた水鏡を最後に一瞥。
■未取得/2点
【無】 :『写し鏡の呪法』 :1/1
/自身の内側の情報を水鏡に映し出す簡易呪法。
【無】 :『狩る者の眼差し』 :1/1
/任意対象の生命力・霊力・状態を確認する眼差しを得る。
【無】 :『習熟:長柄』 :2/5
/長柄武器の扱いに習熟する。能力上昇で補正。
【無】 :『徒人の慧眼』 :1/3
/鑑定に習熟する。能力上昇で補正。
【花】 :『瘴気変換:霊力』 :2/5
/周囲の瘴気を霊力に変える体質へと変化する。
【鳥】 :『迫撃』 :1/5
/対象の内部を貫く一撃。【物】【格・長】【麻痺発生】
【月】 :『式王子の呪』 :1/1
/式を扱う才能を目覚めさせる。強さは主と同等となる。
【月】 :『劣火の法』 :1/5
/対象の害する才能を劣化させる呪法。【物・魔】
【月】 :『削減の法』 :1/5
/対象の肉体を脆弱化させる呪法。【物・魔】
新規の能力を二つ、既存の能力強化を二つ。
『慧眼』系列は更に派生として二種類ある道具鑑定系能力。
現状では道具の価値や詳細が欠けていることもあるが、派生すればそれらの穴が消える。
それだけでなく店先などでの道具の詳細なども見えるようになる、という今後を考えた一手。
『迫撃』は白から言われた術技系列を受け入れた結果。
元からいつかは取る予定だった消耗が軽く、使い勝手が良い術技。
大きな特徴としては火力が一切増えない分、「防御無視」「麻痺」の付与が狙えるといったところか。
それ以外は霊力の補完と基礎の才能の底上げ。
長柄使いとして割り切っている以上、幼い時から馴染ませる選択肢を選んだ結果だ。
残り2ポイントに関しては……他に困った時のために残すことにした。
取るとしても常時効果系以外なら慣れるまでに時間を費やすことになるし。
それに、他の仲間が見つかった際に振り分け先を変更する可能性も考慮して。
(……金を稼げる、という意味合いでは白に任せちゃったからなぁ。)
立ち上がると同時に鏡は消えて。
俺と同じように、出立前に。
いや、だからこそか。
隣で水鏡を覗いている白の画面が視界に入る。
『白/深度4』
『力』 『霊』 『体』 『速』 『渉』 『呪』
5 2 5 7 1 1
■未取得/2点
【無】 :『写し鏡の呪法』 :1/1
/自身の内側の情報を水鏡に映し出す簡易呪法。
【無】 :『染者/花鳥風月』 :1/5
/布製品の作成能力を取得する。能力上昇で補正。
【無】 :『習熟:刀剣』 :1/5
/刀剣類の扱いに習熟する。能力上昇で補正。
【花】 :『瘴気変換:生命』 :1/5
/周囲の瘴気を生命力に変える体質へと変化する。
【鳥】 :『兄宇迦斯の指先』 :2/5
/解錠・解呪を可能とする。能力上昇に応じて補正。
【鳥】 :『鶺鴒の見通し』 :2/5
/幽世での発見行動を可能とする。能力上昇に応じて補正。
【鳥】 :『血飛沫月光』 :1/5
血液を月光に晒す。【物】【刃】【出血発生】
【月】 :『月読ノ導き』 :2/5
/自身の種族特徴を取得する。能力上昇に応じて変化。
結局白は新規能力を優先する形になった。
『染者/花鳥風月』は布製品作成能力のうち、能力への付与能力を発生させやすい加工能力。
今の所俺達は一部に金属を使用する鎧なら兎も角、全身金属鎧を使うつもりがない。
最終的に前衛だと布鎧は耐久値が怖いことになるが、その分回避型として割り切れば良い。
何より、金属系は両手武器などの重量武器への補正が大きく掛かる防具だ。
だったら布でいい。 素材を突き詰めると金属鎧より高く付くが。
『習熟:刀剣』は俺の持つ長柄武器の刀剣版。
「下手に後で才能に目覚めるよりは今の内から慣れておきたい」とのことで。
今使っている武器……刀系に特化する形になった。
『瘴気変換:生命』に関しては現状戦闘後に自動回復用と割り切る程度。
派生になってからが本番だが、現状でも毒沼などの一部地形と打ち消し合う程度の効果は合ったはず。
そして最後は種族特徴の底上げ。
恐らく魅了成功率の増加程度に落ち着いているはずだが、『3』になってから色々と変わるはず。
白も同様に2ポイント残し。
加工・作成能力を
素材費≒加工後売却費用、位に落ち着くと思うのでこれもまぁ暫くは金食い虫だな。
(……習熟どうするかー、とか。
防御系列も上げるかー、とかで物凄い悩んだんだよなぁ。)
水鏡を見て若干目を輝かせているのは今も変わらない。
昨晩決めたばかりだから早速試したいという思いもあるんだろう。
その気持はよくよく分かる。
最後の方は若干言い合いになりそうだったし、テンションも跳ね上がってた。
「白、そろそろ出るぞ。」
「ああ、そういえばもうそんな時間か。」
「薬屋はある程度早くからやってるはずだしな……。」
流石に常に営業してるとかはない。
というよりも大分前に偏った時間帯営業とか。
具体的には
色々と調合を考えればその辺りに落ち着くんだろうなぁ。
「分かった、少々待て。」
「いやいや、先に準備しといてくれよ……。」
呆れつつも少し待ち。
荷物を持った彼女と共に宿を出て。
『またのご利用を』と背中越しに聞きながら、街の人混みの中へと潜り込んでいく。
「それで、薬屋は?」
相変わらず手は握ったままで。
……昨日に比べ、その感触は柔らかく変わっていて。
同時に、周囲からの視線が少しだけ粘っこいものに変わっている気がする。
(……ちょっと不味いか?)
ひょっとすると、白の魅了効果が悪い方向に働いている可能性がある。
この辺の体質を抑える道具・装備も作れなくはないはずだし、ちょっと薬屋にも相談だな。
「白。」
「ああ。 左背後の視線じゃろ?」
やっぱり気付くよな。
そういう類の妖なんだ、目線には目端が利く。
唯でさえ盗賊というのもあり、俺以上に色々と気付いていることは多い筈。
「ちょっと急ぐぞ。 其処の路地裏を入って二本曲がった店が薬屋らしい。」
「分かった。 では若干引っ張る形になるが許せ。」
歩幅を少しだけ開く。
遅れがちな分は、俺が引き摺られるような形で相殺する。
……路地に折れた辺りで、少しだけ足早な足音が一つ。
けれど、事前に予定していた動きだからか。
或いはただ単純に運が良かったのか。
それに追いつかれる前に、目的の店前へと辿り着く。
ぷぅん、と漂う独特の香りを店前で漂わせた店。
『
そして、西洋から流れ着いたような看板をぶら下げた店。
迷うこと無く、扉を押して。
ちりん、と鈴の音が鳴った。
「あ、い、いらっしゃ……い、ませ。」
そして。
何処かで聞いたような、
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