第二章 13 大目に見てほしい。
「でも、ちょっとでも
「もう
ベルウッドさんは誤解を招くことを平然とほざき、洗い場で体を洗い始める。
ほかに誰もいなくて良かった。こんな
わたしはもう一度ベルウッドさんをチラリと振り返る。
背中全体に大きな
なんか情けなくなる。あんなにも身を
もっとも、ベルウッドさんは相手が
わたしは溜め息を吐き、
この素晴らしい景色、ベルウッドさんは観ることができないんだなぁ……。
背後でしばらくバシャバシャと洗い流す音が聞こえていたが、やがて
一緒に温泉に入るなんて、改めて
「あの……昼間はすみませんでした。ちょっとキレてしまって……」
わたしは白濁泉に視線を落とし、蚊の鳴くような声で謝った。
「それに……剣を捨ててまでわたしを助けてくれて……石にまでぶつかって……迷惑ばかり掛けて……」
「反抗期のガキンチョが、いっちょ前に気を
ベルウッドさんは鼻で笑いながら答えた。
「お前さんが世話の焼ける短気なガキンチョだってことはとうに了承済みだ。ムカついたら俺に好きなだけ
なんかやけにオトナな言い草。
「あと、恐いと体が
「それは……教わった呼吸法、実践してみます」
「呼吸法もいいが、それでも駄目なら、その恐怖は
わたしの心臓がほんの少しだけ
告白でもされたように胸が熱くなってゆく。
「で、でも……助けられてばかりはイヤです」
「ひよっこのうちはどんどん俺や仲間に助けられればいいんだ。そのうち、お前さんも
「ベルウッドさんって、たまに優しくなりますね」
「たまにとは失礼だな。俺はいつだって優しくて
「………」
言葉を失うわたし。
ここで
あ、誤解しないでほしい。別にときめいていたわけではない。
怪物⁉
……じゃなくて、ただの猿だった。
わたしは緊張を解いた。
耳元で、ベルウッドさんの押し殺した
ふと気が付くと、わたしはベルウッドさんにがっちりとしがみ付いていた。
思わずベルウッドさんの顔面に思い切り
乙女の恥じらい
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