第三章 5 あまりしゃちほこ張るな。
翌朝、
緊張してあまり眠れなかったが、今のところ眠くはない。
東の空が紫色になり始めた早朝、軍曹とわたしは
徒歩での移動時間に関しては、現地の天候によってある程度左右されるとのこと。
移動だけでくたびれてしまいそうである。
まだ町は眠っており、
「あまりしゃちほこ
軍曹が冗談半分に言った。
きっと、わたしの顔がかなり
「もちろん緊張感を持つことも必要だが、過ぎれば
「私も理解できますよ。アンブローズさんとのお仕事、今回が初めてですし、実は私も
運転する伊太池さんが、ルームミラー
「それが普通だ。緊張も恐怖も感じない
軍曹は
それは戦争も戦場も知らないわたしにとっては、想像を
それでも、
「紗希、お前さんを見てると、昔の局長を思い出すよ」
局長はわたしにとって理想の大人の女性だし、
「
あまり褒められていなかった。
「そんな
「今はずいぶん落ち着いたよ。……まあ、俺もだけどな」
軍曹は遠い目で窓の外を
「統一戦争が終わって、戦地から一年かけてやっとの思いで帰ってくれば、町はまだ
シラールスタンの中心都市ノスコーで爆破テロが起きたことで争いが
八年後、シラールスタンの王が自殺したことで戦争は終結した。その国に
王の自殺の原因は謎だが、大戦にまで発展してしまった
矛盾、
人々は争うことに
戦場しか知らない軍曹は行き場を失った。それでも故郷で家族が待っている。これからは家族と一緒に生きていこうと心に決めた。
しかし、そんな最後の
バラックの飲み屋で浴びるほど酒を飲み、道を歩けば肩がぶつかった何だと通りすがりの者に
そんな
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