第三章 8 他人の苦しみを取るに足らないと決め付けるのは傲慢だ。
「俺だって息子がいた。親の気持ちは分かる」
「でも、パパはわたしの気持ちを分かろうとはしません。わたしが望まないものを強引に押し付けて、わたしが拒否すれば怒る自分勝手な人です。死ぬほどの苦労を経験してきた軍曹には、きっと
「わがままだのちっぽけだのなんて、俺が決められることじゃない。お前さんに俺の苦しみが分からないのと同じで、俺だってお前さんの苦しみは分からない。ただ分からないってだけで、他人の苦しみを取るに足らないと決め付けるのは
「その
「……ん……ああ」
軍曹は
軍曹のこのおかしな態度の理由をわたしが知るのは、数日後のこととなる。
❁ ❁ ❁
想像以上の雪深さだが、
夏場は涼しくて過ごしやすく、
軍曹
初めて来た場所なのに、なぜそんなことが分かるのかと
聞けば聞くほど
ご
ちなみに、この村にはもう一台雪上車があると聞いた。そちらは村でただ一軒の診療所に置かれているらしい。
単車のように
そのスノーモービルを
いずれも上部と前面に風雪
けたたましいエンジン音を立てながら、スノーモービルは
それにしても変である。雪上に進軍の
もっとも、風雪が激しければ一晩で
雪の下はほぼ全面アイスバーンで、
結構慣れているようだ。この人、見かけによらず
そんなこんなで約一時間半後、伊太池さんはスノーモービルを停めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます