第三章 7 あああ! 不貞行為!
「しかし何て言うか……思うように行かなくてな。普通の企業なら十年もすれば少しは
軍曹が
でも、そう考えると、やっぱり
「局長も先走った自分に相当責任を感じたんだろうな。しばらくは
そんな
ん? 今、さり
あああ!
良からぬ
「す、すると、ノエル先輩が来るまでは、局長と軍曹はほとんど二人で活動してきたんですか?」
「ま、そういうことだ。いろいろあったがなぁ……」
いろいろって何?
「えっと………?」
わたしはどう
口を
「ここだけの話、十年間、俺の片想いだ。
どこまで冗談、どこまで本気なのかは分からない。
きっと、
運転席から伊太池さんの
『ここだけの話』とか言われてしまった手前、この人は
戦後の動乱の中、生きていくだけで精一杯だった時代から、局長と軍曹は苦楽を共にして
でも、二人は神様ではなく人間なのだ。何度も折れそうになった心を互いに
ひょっとしたら何かの
しかし、たとえそんな事実があったとしても、本人達から、特に軍曹の口からそれを話すことは決してないだろう。局長の名誉のために、きっと墓場まで持って行く。
でも不貞行為。
やっぱり、わたし子供なのかなぁ。それとも逆に考えが古い?
「ところで紗希、話は変わるが……」
「お前さん、今度の正月休み、一度実家に帰ってみたらどうだ?」
「いきなり何です? 帰って……どうするんです?」
実家なんて、思い出すだけで嫌悪感が再発して
「
「なんで心配してるなんて分かるんです?」
「それは……あれだよ」
なぜか
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