第二章 7 激痛で動けない。息もできない。殺られる。
わたしは
わたしが動くのを待ち兼ねたように、
速い上に、ジャンプ
わたしは
ビュンビュンと
武器の大きさが違い過ぎる。こんな大振り物での攻撃を
左上から来た
もろ受けを
「ベルウッドさん!」
裏庭にいるはずのベルウッドさんを呼びながら、わたしは剣を構え直した。
白狐面は武器を振った勢いで体を回転させて背を向けた。
大胆にも、いきなり
わたしは
ああっ、雪が冷たい。
白狐面は向き直り、文字通り全身で
……って、なんかおかしい。この白狐面、戦う気があるのだろうか? 単に春秋大刀の演武を
しかしながら、こんな大長物を引っ切り無しに振り回されては、わたしとしても近付くことができないのは事実だ。
白狐面が再び、こちらに向けて大刀を振ってきた。
今度は地面擦れ擦れ、足を狙って。
後ろへ跳ぶわたし。
大刀が飛び石を
今だ!
大刀が振り切られたこの瞬間を逃さず、わたしは
人を手に掛けるのは
白狐面の
信じがたいことだった。春秋大刀は縦に真っ直ぐ構えられ、白狐面に達そうとしていたわたしの剣を喰い止めていたのだ。
わたしはすぐさま手首を回して剣を回転させ、別方向から
想定を遥かに
わたしは後ろへ飛ばされ、松の木に激突した。
練識功で肉体を強化させていたので、骨折や内臓破裂は
もう一度叫ぼうとしても声が出ない。
まったく! あのクソオヤジ、何してる⁉
あああっ! 踏んだり蹴ったり。痛いし冷たいし。
白狐面が春秋大刀を
激痛で動けない。息もできない。
はたと
直後、その方角に向かって
空を裂き突風を起こすほどの
一瞬遅れて、
まさかまた高みの見物をしていたわけじゃ……?
それより、なぜだろう? 白狐面が春秋大刀を振ったタイミングが、ベルウッドさんが降りてきたタイミングとかなりズレていたのは。
もしかして、本気でわたし達を殺すつもりではないということなのだろうか?
わたしから雪を吹き散らしたのも、単なる偶然ではないとか?
いや、そもそも何者なのかも目的も謎なのだ。好意的な
「紗希、大丈夫か?」
「だ……っ」
駄目ですと答えようとして、わたしは
「無事で良かった」
ベルウッドさんは
無事じゃないって。見れば分かるじゃん。
そうだ、見えないんだった。
ベルウッドさんは左手の指二本で手
白狐面から
春秋大刀が
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