第二章 12 いや、れっきとした変質者だろ。
それからも、わたしは
とは言っても、あまり
乗馬の体勢を
動きそのものは激しくないのだが、同じ姿勢を長時間続けたり、単純な体捌きでもゆっくり
あるいはひょっとすると、ベルウッドさんのリアル鬼ごっこよりも肉体的にはハードかもしれない。
どんなに疲れても呼吸に集中、と奏哲和尚には指導されたが、今のわたしには難しかった。
あれやこれやと悪戦苦闘しながら終えた頃には、すっかり外は暗くなっていた。
夕飯にと、奏哲和尚から三つ葉と玉ねぎと
「まだ最終の汽車まで時間があるでしょう。せっかくですからお風呂で汗を流してはいかがですか?
夕飯をご馳走になった上に、天然温泉までいただけるとは。
わたしはお言葉に甘えることにした。
お寺の庭の
雨雪
かなり古そうだが、きちんと
単純酸性
おまけにここは標高が高いので、下界が
もちろん
こうして丁度良い湯加減の温泉に浸かってマッタリしながら、美しい夜景を
「邪魔するぞ」
ベルウッドさんの声。
聞き間違いではなかった。振り返ると、腰にタオル一丁のベルウッドさんの姿。
「ひゃっ! 何です、いきなり⁉」
わたしは
腹筋
「そんな変質者を見たような声出すなって」
いや、れっきとした変質者だろ。
「奏哲和尚も俺も最終の汽車の時間を勘違いしててな。予定よりちょっと早く出ないといけない」
「だからって、いきなり入ってくることないでしょ!」
「どうせ俺は見えないんだ。お前さんが気にしなければ問題ない」
……まあそれもそうか。
とか、納得するわたしもどうかしてる!
「それに、一人ずつ急いで入るより、二人同時に少しゆっくり入れた方がいい」
それも
ああ、なんでわたし納得してるんだろう?
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