第五章 23 ついて行けるとお約束できない。
同時にノエル先輩も
こんな人間離れした予告なしの地獄の
ノエル先輩の
鋼鉄同士が激しく
原体の
今度こそ、原体を破壊した。
巨大紅衣貌は糸の切れた
ベルウッドさんとノエル先輩は地面に転がり落ちた。
ナヒトの姿がない。局長に
不気味なほどの静けさに包まれ、それがまるであの世に来てしまったかのような不安さえ
けれども、そんな静けさもほんの
みちみちみち、みりみりみり、と、筋っぽい生肉が引きちぎられるような音が聞こえてきたのである。それもあちらこちらから。
原体を失い抜け
「何だ? 何の音だ?」
ベルウッドさんが
んげげ! もしかして……!
この魔改造紅衣貌、バラけ始めている?
ナヒトの説明通りなら、原体を叩かれたり失ったりしても活動は停止せず個々に分離し、それらはわずか数時間で無に
そう。強引に押し固められた状態なのだから、一緒のまま痛みを分かち合えるほど仲良しのはずもない。結局、課題だった結合力の
お粗末かな、魔改造されて良かった
とにかく、一刻も早くこの怪物から離れた方が良い。
だが時
巨体のあらゆる部分で、人や動物やはたまた正体不明の形の個体が浮き現れ、みちみちみりみりと気持ち悪い音を立て、糸を引きながら単独で動き出す。
大小様々だが、ざっと見て一〇〇、二〇〇……いや、もっと多い。
「タチの悪い紅衣貌ね!」
局長が
わたし達全員、
ああもう!
全力で応戦するしかない。斬って斬って斬りまくって、地道に個体数を減らすしか……。
でもたった四人で、ほとんど気力だけで立っている状態で、いつまで持ち
ノエル先輩が小さなエネルギー弾を数発撃ち散らし、
なけなしの練識功だったのだろう。ノエル先輩は少しよたついてしまった。
「強行突破! 全力でわたしに続いて!」
局長が叫んだ。
ついて行けるとお約束できない。それどころか、局長自身でさえ
……と、出し抜けに、背中を叩かれた。
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