第四章 1 緊張と恐怖でまた体が竦みそうになる。
【⚠ このエピソードには残酷描写があります ⚠】
銃弾も矢も数発受けている。出血もある。でも、この吐血は怪我
「今さら血を見て驚くな」
少し息が
確かに、わたし達は自分からの出血より相手の返り血で血だらけだ。吐血で
「……病気……ですよね?」
「大したことはない。ま、
血を吐く病気で、大したことのないものなどあろうか?
しかし、問い詰めている
追手がやって来たのだ。しかもなんと前から。
ざっと見て七、八十人はいる。
わたし達の前に回り込んできたとなると、もしやあの
連中は行く手を
たった今まで全力
何より、これ以上軍曹に無理をさせれば命に係わる。
「
軍曹は剣を握り直して立ち上がった。
「俺が
もっと実力があれば、わたしが先頭を切って突撃できるのに。この
軍曹が再び全力ダッシュし、わたしも後に付く。
連中が前後左右から
突進しつつも
連中が
わたしもうかうかしてはいられなかった。後方にも何人か回り込んで来ていたのだから。
素人の動き。見切れる。……が、二人、三人と続けざまに掛かって来られると
緊張と恐怖でまた体が
でも、
奏哲和尚と言えば、深呼吸を
わたしは可能な限り深く呼吸をし、踏み出した。
一人目を左へステップして躱し、その後頭部に剣の
次いでナイフを振りかざしてきた二人目、ナイフが振り下ろされる前に接近してその手を抑え上げつつ、
その後ろから向かってきた三人目に、体をくの字に曲げた二人目を
四人目、五人目……んげげっ! ボーガン⁉
わたしは
ぎゃっ! と悲鳴が上がる。
わたしに目掛けて放たれた矢は、二本とも二人目の背中に突き刺さった。
正当防衛! 撃ったのは相手であり、わたしは悪くない!
四人目、五人目の頭を、次の矢の準備が整う前に、剣の平でぶっ叩く。
わたし凄い!
わたしは再び軍曹の背を追いかける。
横から後ろから矢が何本か飛んできたが、剣で叩き落とし、防寒着のジャケットの
また軍曹が
敵の包囲網の
渓谷出口が見えてきた!
……って、喜んでもいられない。渓谷を出たら豪雪で足場が悪くなるのだ。ボーガンで
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