今さらのプロローグ 1 とんでもない逸材を発見してしまった。
これはわたしがベルウッドさんと初めて出会った時の話である。本来、最初に話すべきことだったのだが、乙女の恥じらいもありためらっていた。
はっきり言わせてもらうと、ベルウッドさんの第一印象はキングオブ最悪、下の下の下だった。
むさ苦しい
特に、わたしはコロンなどの香水の
順番が狂ってしまったが、今回はベルウッドさんがアンブローズのメンバーに加わった
わたしは勤務時間外でも
アンブローズのメンバーに加わって二ヶ月ほど
わたしは今までにない強い練識功を感じ、夜の
いくら地方都市でもならず者はいる。夜の街をわたしのような
もちろん、良からぬ連中に
数分歩き、
繁華街ほどではないが、それなりの人通りはあった。
わたしは強大な練識功を感じる場所まで来て立ち止まった。
まだ新しそうなコンクリート造りの小さな建物。木製のドアには『ベルウッド整体院』と書かれている。
一、二度通ったことのある場所だが、今まで練識功の存在に気付かなかった。
こちら
今度は小さな窓から灯りが確認できた。
わたしはドアをノックしようとしたが、はたと手を止めた。
よくよく考えれば初めてのことだ。一体全体、どのように用件を切り出せば良いものやら? 夕飯時にいきなり
などとあぐねていると、ゆっくりとドアが開けられた。
中から男性が姿を現す。
「あ、えっと……こんばんは」
まさかノックもしないうちにドアが開けられるとは思わず、わたしは
まずはキツ過ぎるコロンが鼻を突いた。次いで伸び放題の
しかし、何よりわたしが
つまり、見えていないのだ。何らかの原因で
そのこととは関係なく、わたしはこの時この男性を実年齢より二十ぐらい上に見ていた。怒られそうなので、本人には永久に
さて、
「やあ、早かったね。入って」
なぜか、こちらがウットリしてしまいそうなほど甘く優しい声。
この人、わたしの訪問を
予知までできる練識功の保持者。とんでもない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます