今さらのプロローグ 2 変態確定。
男性はわたしの背に軽く手を
「お、お邪魔します」
「素敵な声だ。俺はルーサー・
「
特別広くはないが快適に過ごせそうな空間だった。
「サキちゃんか。
いきなり
ベルウッドさんもわたしの隣に座り、ずいぶんと
「夕飯は? 一緒に食べようと思って用意したんだ。先でも後でもいいけど」
この
夕飯時に訪ねたのは
「夕飯って……いきなりいただくのも悪いので……ゑっ⁉」
突然、ベルウッドさんの大きな両手が、わたしの顔を
盲目の人が相手の顔に
そもそも、本当に
いきなりの事態に、顔がどんどん熱くなってゆく。
ベルウッドさんはわたしの髪から
「飛びっきりの美人だね。君の恋人になれたら世界一幸せだ」
ベルウッドさんの
わたしは顔だけでなく全身までも熱くなるのを感じた。
「君、新人? この仕事初めて?」
「えっ、は、はい」
しかしどうしたものか。全盲の人の手を
「緊張しないで」
―――やおら。
ベルウッドさんの腕がわたしの腰に回り、そのまま抱き
あれ?
「リラックスして。君は
耳元で、快楽
認めたくはないが、声だけを聴いていたら本気で
でも、おかしい。
変態確定。
迷わず、ベルウッドさんに手加減無しの
ベルウッドさんは短い悲鳴を上げ、ソファから転がり落ちて脛を押さえた。
なんか……自分の能力を
眠っていた犬が耳をピンと立てて目を開けたが、またすぐに目を閉じた。
「いっつぅ……。
「それはこっちの台詞です! この変態オヤジ!」
トントントン
突然のノック。
「こんばんは~、ミナだよ~。遅くなってごめんね~」
ドアの向こうからは、二十歳前後と思われる女性の声。
「あれ? ミナちゃん?」
ベルウッドさんは
ドアを開けると、ヒラヒラスケスケコスチュームの上に白い毛皮のコートを
「こんばんは。ルーちゃんいる?」
「……ルーちゃん?」
わたしはまだ事態が
「ミ、ミナちゃん。てっきり、今夜は来られないと思ってたよ」
ベルウッドさんがびっこを引きながらやってくる。
「ルーちゃん、この娘だーれ? ルーちゃんの彼女?」
『違う違う!』
わたしとベルウッドさんの全力否定がハモった。
「こんなカワイイ彼女がいるなら、わたしらなんかと遊んでちゃ駄目だよ。ルーちゃん優しいんだから、彼女のこと幸せにしてあげて」
言うなり、ミナちゃんとやらは
「お前誰だ⁉」
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