第二章 10 まさに達人。コスプレのセンスは悪いけど。
「出来が良い悪いの
「そこまで
ベルウッドさんが小さく息を吐く。
いけない。つい感情を抑え切れずに、
「あと、ルーサー君、君はもう少し物言いに
「……申し訳ありません。
ベルウッドさんは
「紗希さん、試しに拙僧と
奏哲和尚はいきなりおかしなことを言い出す。
今ここでこのタイミングで、なぜ腕相撲?
「もちろん、
奏哲和尚はわたしの返事も待たず、
『今度は一切の手加減をせず』ということは、さっきは手加減をしていたんだ。たぶん、初対面であるにも関わらず、わたしが練識功の保持者だと見抜いた上で。
まさに達人。コスプレのセンスは悪いけど。
わたしは言われるがまま、奏哲和尚と右手を組み合う。
さすが、あの長大な春秋大刀を
本当に本気を出すつもりのようだ。
そうなれば、わたしも練識功で右腕の筋力強化を
ベルウッドさんの合図で始まった。
そしてなんと、勝負は一瞬で着いてしまった。
勝負台にしていた木箱が
奏哲和尚には絶対に勝てないと思っていた。万が一勝てたとしても、相当な
「イテテテ……。やはりさすがです」
この結果が見えていたのか、奏哲和尚は右肩を押さえながらも動じることなく
「……ス、スミマセン。思い切りやってしまって……」
「いいんですよ。
奏哲和尚は
「……あれ? でもさっきは……奏哲和尚に全然
「それです。その質問こそ、ルーサー君が君をここに連れてきた一番の目的です」
物凄く
「……はあ……」
わたしは
「戦いに勝つために重要なのは、単純に筋力や身体能力だけではないということです」
まあ、それはわたしも
「口で全てを説明するのは難しいですが……簡単に言いますと、先程、拙僧は君達の
「キョ?」
オウム返しに問うわたし。ちっとも簡単じゃないし。
「つまり、そうですねえ。君達は練識功で身体能力を上げることができます。当然、力も
「でも……突き飛ばされた時の力は
「相手の虚を突くのと同様、あれも長年の
けれどもそうなると、練識功で
わたし、集中力もなければ精神も弱いのかな。だから練識功の剣を作れないんだ。
わたしと二歳しか違いないノエル先輩だって剣までは作れなくても、エネルギー塊を弾丸のように遠くまで飛ばすことができるようになったとか言ってたし。
局長は練識功で怪我を
軍曹もベルウッドさんと同様、やはり剣を作れる。
わたしは練識功の保持者が近くにいれば
……なんかまた気が
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