第四章 5 もはや、根性だけで戦うしかない。
他でもない、わたし達を
上手く説明はできないが、これまでとは放つ雰囲気というか……
「大勢殺されてしまいましたからね、もう皆すっかり
ナヒトは
その態度が実に
「ご
軍曹が
「まさか……。私、そこまで
この兄ちゃん、やっぱりツアーコンダクターに向いているかも。
軍曹を尊敬しているという部分に嫌味や
「お
「それは困ります。御神体のさらなる強化のためには練識功の保持者が必要なんです」
ナヒトがそう言い、小屋の中へ踏み込んできた。
その瞬間、軍曹が弾丸のような勢いで
速い!
腹部を一突きされるかと思いきや、ナヒトがこれまた驚異的な反応速度で
まさに
わたしも後を追って飛び出す。
全身が青緑色に輝くナヒトの右手には血に染まったナイフ。
「やはりあなたは凄い。あなたが手負いでなければ、やられていたのは私の方でした」
そう言うあんたも凄過ぎるんですけど? 猫被ってた? 爪隠してた? 攻撃を
それに、ナヒトのこの輝き、もしかして練識功?
「どういうこと? あんたも練識功の保持者? それとも化物?」
わたしは
「正解は前者です。まあ、ちょっとしたタネはありますが」
その『ちょっとしたタネ』って何?
気になるところだが、これ以上お喋りを続けるつもりはない。
わたしも練識功で身体能力を上げて、一気にケリを付ける!
わたしは胸の辺りに意識を集中させる。……が、体が熱くなった瞬間、
無理もない。極寒の中、狐魑魅渓谷からこの避難小屋まで、軍曹を
今ここで強引に練識功を発動させれば、きっと意識不明に
もはや、根性だけで戦うしかない。
剣を握り締め、気合いと同時に雪を蹴った。
ナヒトの目に、わたしの動きはどう映っているだろう? よたよたと情けない様だろうか?
突き、払い、上体落としからの
ああ、駄目だ。力が入らない。そうでなくてもわたし、へなちょこなのに……。
ナヒトから
そこへ、ナヒトが瞬時に間合いを詰め、わたしの左脚に強烈なローキック。
左膝が鈍い音を立て、一瞬遅れて激痛が襲って来る。
雪の上に倒れ込んだ。立ち上がろうとするが、左膝から全身に激痛と
ナヒトは拳銃を取り出し、こちらへ向けた。
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