第一章 3 しかも一番見られたくない人に……!
もちろん、精神エネルギーの剣の
不安はあったものの、ベルウッドさんにドンと背中を突き飛ばされ、わたしは半強制的に
ああ、泣きたい。
それでも、紅衣貌を斬る瞬間に握力を込め、なんとか一体の頭部を
そして着地してよたついたところに、別の個体からのクラゲ足が
やはり
すると、わたしとクラゲ足の間にベルウッドさんが
たちまちクラゲ足を剣で焼き飛ばし、
足下のおぼつかないわたしはベルウッドさんの背に当たり、なんとか直立を
「余計な力と無駄な動きが多いからすぐに疲れるんだ。今へとへとならチャンスだ。必要な部分だけに力を集中しろ」
簡単に言ってくれる、このクソオヤジ。それができれば苦労しないっつーの。
わたしは反論するだけの体力的余裕もなく、
同時に、ベルウッドさんが背中をぶつけてアシスト。
これほどの
そんなわたしの
限界を
道中、
大人になったなぁ、わたし。
❁ ❁ ❁
アンブローズのオフィスに戻り、
温かいお湯を浴びた効果か、全身の痛みと疲れがほんの少しだけ
オフィスの医務室(八畳の和室だが)にて、うつ伏せのわたしは激痛のあまり悲鳴を上げた。
「……ったく、毎度毎度、出動の後に
ベルウッドさんはわたしのふくらはぎを指圧しながら言った。
言い忘れていたが、この人、本業は整体師である。
本人が言うには、それほど強い力では
「毎度毎度、無理をさせてるのはどちらさんですかねぇ?」
「だから言ってるだろ。あれは相棒としての、愛だ」
最後の気持ち悪い一言と同時に、足裏のツボを突かれた。
このドSオヤジ。人が
いや、見えないんだった。
「
「わざと痛くしてませんか?」
わたしは言われた通りに仰向けになり、
「……そんなわけ……ないだろ」
ベルウッドさんは声に少しばかり動揺を
この
「今、答える前にちょっと間がありましたよね?」
「……ったく! 痛くする気ならこうするよ!」
ベルウッドさんは
またまたわたしは
問題は、わたしの右膝に乗せられたベルウッドさんの左足である。
わたしの右脚は真横に開かれ、まるで蛙の脚のように膝が直角に曲がって押し付けられてしまったのだ。痛い。
……って、顔近いんですけど……? こんな
「どーだ、思い知ったか? これが俺様の実力だ。はははは!」
ベルウッドさんは喧嘩に勝ったガキ大将のように笑う。
その時、ガチャっとドアが開いた。
入ってきた人物は、
あああ! よりによってこんなタイミングで、しかも一番見られたくない人に来られてしまった!
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