第108話朝5時

いつも早寝早起き。5時には目が醒める。歯を磨いてジョギングが日課だ。ゆっくりと走る。秋も深くなり、空気が心地よい。


「京子ちゃん、今日も頑張ろな」


おうともさ。私は何時でも全力投球だ。


「よしゃ!俺も応援するで」


体が少し軽くなった。オッサンが体に入って来た。オッサンと始めて出会った頃は完全に体を乗っ取られていたが、最近はほんの少し、私に身を預けるようになった。体の負荷も増えた。でも不思議と心地よく疲労感が感じられるようになった。


「それは京子ちゃんが成長している証拠やで」


オッサンの言う通りだ。最近体調はすこぶる良い。


汗を程々にかいてシャワーを浴びる。汗も流してスッキリ気持ち良い。父親と食事をする。後は登校時間まで猫のシロと遊んで過ごす。シロを犬のラブに任せて五十嵐の車に乗る。犬のラブはシロの親代わりになってくれて安心した。学校に着いて車を降りる。いつも教室1番乗りである。勉強をする。ホームルームまでにどんどんクラスメートがやって来て、教室が賑やかになる。勉強のできる子と問題の教え合いをしたりもする。


「京子ちゃん、授業やね」


オッサンに指摘されてわれに返る。1つの事に集中しがちな所は私の欠点かもしれない。


「まあ、完全な人間なんておらんから、気にせんでええで」


オッサンとやり取りした後、ホームルームとなる。授業は心を入れ替えて真面目に受ける。ノートの書き方にも細心の注意を払う。私は不器用だと思う。だから何時だって全力だ。勉強も部活も頑張る。

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