第150話教習所

「それでは倒れたバイクを起こしてみましょう」


教習所に入所した私。手続きは省略しよう。教習所に行った私は即決で決めた。女子は私を含めて2名。基本的な操作を学び、バイクの起こし方や押して歩く方法を学んだ。もう1人の生徒、柿本さんは


「綾小路さん、男に見えた」


遠慮せずズバズバともの言う女子だ。小柄な柿本さんは果たして400ccのバイクを乗りこなせれるのか?


「それじゃあ実際に乗ってみましょう」


スタンドを起こし、バイクをまたいだ。意外と乗りやすく、安定している。キーを回しエンジンをかける。クラッチレバーを握り込み、ギアをローに入れる。バイクの後部にはギアの順番に光るランプがある。ゆっくりクラッチレバーを話す。ギアは入り、ゆっくりと動き出す。1速から2速、3速とギアを変える。かなりバイクはスムーズに進む。外周を2周して教習は終了した。柿本さんは、


「綾小路さんは背が高くて良いね。バイクに楽々と乗れて」


バイクは年季の入ったホンダのCB400SFだ。私はこのバイクの乗りやすさが気に入った。教習用にはピッタリじゃないだろうか?でも私は少し物足りなさも感じた。卒業したらとことんバイク選びに悩もう。


「綾小路、教習所入ったって本当か?」


バイク乗りの浅田が話しかけてきた。うん、昨日バイク乗って来た。


「どうだ、バイクも楽しいだろう?」


うん、楽しい。


「バイクを買ったらみんなでツーリングに行こうぜ」


今月号のバイク雑誌を譲ってくれて、ページをめくった。新車の情報やメンテナンス、投稿コーナーがあった。そこで1台のバイクに目が止まった。


KTM エンデューロバイク新作発表!注目のシリーズ!


私はこのページにしおりを挟んで机の下に入れた。

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