第77話嫉妬

いつもの様に投稿すると教室に見知らない女子生徒が居た。


「これ、貴女よね」


ファッション雑誌を出して見せて来た。うん、私だよ。


「なんで綾小路さんなの?私は努力して事務所にも入った!それなのになぜ」


綺麗な女子生徒だった。私とは全く違うタイプ。メイクもバッチリしている。私も紹介でやったんだ。


「ランウェイも録に歩いた事も無いのにヘルメスなんて生意気」


そうかいそうかい。殴る?私本気で殴り返すよ?


「成績優秀、インターハイ3冠、ヘルメスのモデル。貴女隙が無いのよ」


ちょっと野次馬が出て来たから人の居ない所へ行こう。彼女は従った。中庭のベンチに2人腰掛けた。経緯を話すと理解してくれたようだ。彼女の名前は本庄真奈美と言った。


「どんな繋がりが有るの?」


お父さんの紹介。


「お父さん、お金持ちなんだね」


ちょっと待ってほしい。お金持ちは大金で遊びほうけているように見えるが本当は非常に質素だ。その誤解だけは解きたい。私の批判は受けるよ。


「貴女、素直で謙虚よね。自慢しても良いのに全然しない」


むしろ人目を隠すようにしている」


あんまり目立つのは好きじゃないんだ。でもモデルの仕事は楽しいね。


「そりゃヘルメスの仕事なんて楽しいし、やりがい有るに決まっている」


本庄さんもモデルの仕事してるんでしょ?


「ええ、日本のティーン向けだけどね」


見せてよ、持って来てるんでしょ?


「スマホに写真取ってある」


見せてもらった。可愛い本庄さんだ。素敵だね、と褒めた。


「貴女はモデルの階段を何段も飛ばして頂点まで行ってしまった。私達の立つ瀬が無いのよ」


じゃあ今度一緒に行ってみる?


「え?本当に?」


大丈夫だと思うよ。それから本庄さんと私は仲良しになった。ランウェイの歩き方も教えてもらった。仲良くできそうだ。

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