第76話モデルのお仕事
通訳さんを介して私の言葉をヘルメスのマネージャーに伝えてもらっている。
「京子、貴女には次世代の女性の持つべきものを持っている」
言うなればべた褒めである。私は困ってしまう。
「綾小路さん、貴方は素晴らしい素質を持っているわ」
ヘルメスのマネージャーは大急ぎで衣装の準備をしている。色々な人が慌ただしく動いている。ヘルメスのマネージャーは私のプロフィールを見て、直ぐにコンタクトするべきだと感じたと言う。インターハイで忙しかったのでそれは叶わなかったが、その後にマネージャーとホテルで出会った時、衝撃を受けたという。通訳の人も一緒だ。
「ミス京子、良かったら下着姿になってくれない?」
要求も直球である。別段減る物でも無いのでパンツ一枚になった。
「おお、なんという素晴らしい肉体!動かずとも躍動感のある体、筋肉!素晴らしいわ」
マネージャーはメジャーを首に掛け、私の体の採寸をした。スタッフに何か指示をしているみたいだ。
「マネージャーはモデルの変更を急遽変更したそうです。綾小路さんに変更するようですよ」
通訳さんはマネージャーから色々と聞き出して私に伝えてくれる。
「京子ちゃん、大出世やな!」
オッサンが冷やかす。しかしこの大騒ぎぶりは尋常では無い。大きく変更が有るのだろう。そして後日に至る。
「京子。笑顔は必要ないわ。いつも通りで結構よ」
マネージャーは慌ただしく指示している。私は着慣れないドレスやカジュアルな服装で写真を撮った。すごく着心地の良いカシミヤのニット、ドレスコードにも対応するドレス。素晴らしい経験だった。
「京子、ヘルメスのマネージャーに気に入られたみたいだな。またお願いしたいと連絡が有ったよ」
父親が言った。私もモデルの仕事が大好きになった。
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