第78話お茶会

お茶会をしようと思ったのは突然だった。誘ってみるとみんな快諾してくれた。新子さん、古沢さん、本庄さん。事前に運転手の五十嵐にワゴンで来てほしいと言っておいたので女子4人は難なく乗れた。


「送迎付きなのね」


本庄さんが言った。うん、電車登校面倒くさいから。我が家の入り口まで来た。新子さんは慣れているが、古沢さんと本庄さんは驚いていた。


「なんて広い家なのよ」


「京子さん凄い」


それぞれ驚いている。しかしそれぞれ純粋な驚きと嫉妬を感じる。お茶会は私の部屋でした。


「たまにはこんなお茶会もええね」


オッサンがそう言う。


「60年代のボルグ!」


本庄さんが私の本棚を見てみつけた。


「すごいヴィンテージだわ」


本庄さんが読みたいと言うので良いよと促すとテーブルの前で読み始めた。古沢さんは私に聞いた。


「ベッドに乗っても良い?」


良いよと答えるとベッドへダイブしてゴロゴロと寝転がる。嬉しそうで何より。


「全くこの二人は」


新子さんはあきれている。


紅茶とジャムを添えたスコーンが運ばれると3人は喜んだ。古沢さんは


「すごーい、本格的な紅茶だね」


皆それぞれにお茶を楽しむ。


「美味しいお茶だわ」


本庄さんは気に入ってくれた。


「でも女の子にしては飾り気のないシンプルな部屋ね」


部屋の模様はオッサンの好みだ。オッサンには合理主義的なところが有って、北欧風の部屋が好きだそうだ。


「全て女子の望むものを持ってる綾小路さん。これ以上何を望むの?」


さあ、そればっかりはわかんないや。お茶が冷めてしまう。みんなで飲もう。

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