第9話神からの伝言

もうあんたみたいなオッサンに付き合うのはもうやめだ!


「まあまあ京子ちゃんそう言わんと仲良くやろうや」


バカ野郎!それが嫌なんだよ!オッサンは落ち着いて言った。


「じゃあ神様からメッセージ託されているんやけど、伝えようか?」


何が神様よ。証明できるの?


「ほんとは禁止されてるんやけど京子ちゃんに伝えるわ」


オッサンが何かを読もうとしている。


『綾小路京子さんへ。突然神様からお願いをされても戸惑っているでしょう。貴方には他の人々を勇気づける力が有るのです。それはめったに人が持ちうる能力ではありません。この男性はちょっとクセがありますが、貴女をしかるべき道に案内してくれます。どうか、この神の名を持って努力してはもらえませんか?』


驚くべき事にこの文が読まれている時、声がオッサンと違う。マジで神様なんだろうか。


「あんな、京子ちゃん。神様が生きてる人間にメッセージ残すなんて滅多にあらへんねんで。たぶん俺、怒られるわ」


オッサンは淡々と言った。私が誰を救うの?どうやって?


「それは教えられへんねん。教えてもうたら俺が怒られる」


そう、神様が居るかどうかは議論の余地があるけど、私には大切な役目があるの?


「そうなんや、京子ちゃん。詳しい事は言えへんけどキミにはみんなが驚くどえらい能力を持っているんやで」


私にはわからない。人の為になんか生きたくない。でもオッサンのおかげで体調は良くなったし、前向きになってきた気がする。わかったわ。頑張る。


「ありがとう、ありがとう、京子ちゃん。でもな、今悪い事に神様からのメッセージばらしたのがバレて怒られに行ってくるわ。朝には戻るから自由にしてな」


身体がスッと軽くなった。何よ、神様のメッセージって。まわりくどい事をするわね。私は自分の意思でジムに向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る