第41話柔道部
柔道着に着替えた私は足の親指をテーピングした。親指の爪の保護だ。オッサンのアドバイスである。オッサン、柔道も詳しいな。
「へへっ俺に任せとき」
オッサンは何者だろうか?ボクシング、柔道、レスリングに詳しい。
「でも洋子ちゃんは白帯やから基本から練習やね」
受け身、筋トレ。もちろんオッサンが私を乗っ取り、やるのである。
「基本はメチャクチャ大事やからしっかりやるんやで」
柔道は本当に地道なトレーニングが必要だ。身体作りからのスタートだ。休憩中に他の女子部員がはなしかけて来た。
「あんた、ボクシング部と掛け持ちするって本当?」
「はい、レスリング部にも入部するつもりです」
「おい」
女子部部長の高崎が声を掛けてきた。
「綾小路、柔道舐めてるのか」
いえ、そんなつもりはありません。
「やれんのか」
やります。頑張ります。
「舐めてたら容赦しないぞ」
はい、よろしくお願いします。
「よしゃ、そろそろ入れ替わろうか」
オッサンが私と入れ替わる。中学から稽古している新入部員は慣れているかもしれないが中々キツイ。
「オラ!綾小路、声出せ!」
ハイ!掛け声を出す。早速先輩から目を付けられた。
「目ぇつけられたらええねん。全部全力でやるで」
この柔道部は根性論で成り立っている。技を覚えるのも根性だ。何この理不尽。
「上等、上等。やったるで」
オッサンの言葉と共に体の内側から力が
「この底なしの体力が神様からの贈り物やねん。使わんのは損やろ」
いいよいいよ、なんでもやってやる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます