第40話ボクシング部
ちわーっす。挨拶をして部室に入る。汗臭い青春が詰まってる。部員が集まって練習内容とスパーの時間割。
「おい、綾小路、リングに上がれ」
強そうな先輩が声を掛けてきた。オッサン、頼むよ。
「ええで。任せとき」
5分間のマススパー。オッサンは私の手の長さを生かして相手を
「女だてらにやるじゃねえか。頑張れよ」
リングから降り、去って行った。
「あの男がキャプテンやな。恐ろしい男やで」
オッサンも油断できなかったらしい。でもそんな男と互角でスパーできた私凄い。
「アホ。俺のおかげやないか」
今アホって言ったな!
「スパーお疲れ様でした。休憩しよう」
新子さんがタオルを持って来てくれた。汗を
「なかなかいい内容だったよ。アウトボクシングが出来てる。今度はインに入ってみると良いかも」
「なかなか見る目あるやん」
オッサンが言った。そうだったのか。オッサンに乗っ取られている身としては嬉しい。
「こんなんトレーニングでもまだまだやで。ほら、サンドバッグ空いたで。打とう」
部員たちもエンジョイ勢とストイックに練習に励む部員が分かれているようだ。もちろん私はストイック派だ。しかしここで問題が起きた。身長が高い上にリーチでも有利なために私とスパーをしようと思う人が現れない。さっきの強い人が来た。
「まあ新入部員に負けるのは嫌だからな」
スパーするぞ、と私を誘った。オッサン、よろしくお願いします。
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