第39話新子さんのトレーナー修行

新子さんは本気である。私のトレーナーになりたいらしい。

じゃあ家来て勉強する?


「本当に良いの?」


良いよ。下校時間、五十嵐にベントレーを校門まで迎えに来させる。

じゃあ行こうか。


「こんないい車乗ったの生まれて初めて」


心地よく沈むシートに満足している様子。


「京子ちゃんの家、豪邸だね‥」


驚いている。今度新子さんの家に行きたい。


「良いよ、良いよ。家、洋菓子屋だよ」


良いじゃない。食べてみたい。部屋に案内した。本棚にはスポーツに関する本が棚に並んでいる。最初はこのあたりで良いんじゃないかな。


「京子ちゃんも勉強してるんだね」


おせっかいなオッサンのおかげで詳しくなったよ。


「これとこれ、あとこれ借りても良いかな」


良いよ。好きなだけ持って行って良いよ。


「これだけあるならトレーナーレベルだよ」


私、新子さんに頼るけど、良いの?


「任せて。トレーナーになって見せる!」


「この子やる気あるで」


オッサンも太鼓判を押す。


翌日。何時も通り変わらない授業。授業が終わった。部活動だ。


「行くよ、新子さん」


ちわーっす。挨拶して部室に入る。丁度自己紹介の準備をしていた。新入生は私を含めて8名その他トレーナー志望1名。


「綾小路京子、階級はミドルです。宜しくお願いします」


私は頭を下げた。これから格闘技漬けの毎日になる。新子さんの番になった。


「綾小路さん専属のトレーナー志望、新子ケイです。宜しくお願いします」


おい、うちのマネージャーじゃねえのかよ、先輩が言うも彼女は気にしない。

芯を持った強い子だ。マネージャーの仕事もこなすだろう。心配無い。

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