第38話新子さん、京子のマネージャーになる

新子さん、何読んでるの?


「スポーツ生理学」


本気で私専属のマネージャーになるの?


「うん、私暇だし」


家でトレーナーを雇うつもりなんだけど、学校のマネージャーは必要かも知れないな。


「京子ちゃんは格闘技をするために生まれたのよ!私、お手伝いする」


やる気満々である。昼食時、一緒に食べる。私はブロッコリーの塩ゆで、サラダ、鶏のささ身。


「京子ちゃん、栄養士はついてるの」


いや、ついて無いよ。全部オッサンがやってくれてる。


「そのメニューではプロテインも必要ね」


有るよ、と私はプロテインシェイカーを取り出した。


「用意が良いね」


ちょっと落ち込んだ新子さんを励ます。


「いろいろとお手伝いしてもらうと助かるな」


そう言うと新子さんは嬉しそうにうなずいた。


「わたし、ボクシングも、レスリングも、柔道も勉強するね!」


新子さんはやる気である。どうしたものか。


「ええんちゃうか?それも京子ちゃんの人徳やで」


オッサンはそう意見した。でも彼女の成績とかに影響しないかな。


「心配あらへん。彼女、滅茶苦茶優秀やから。でものめり込むと周囲が見えんタイプみたいやな」


オッサンの人を見る目には私も評価している。


「彼女に憑いてる守護霊さんと話したんやけど、やりたい言う事はやらせてあげてって言ってたで」


そんな事も出来るのか。便利だな。でも新子さんが守られていることは良い事だ。


「そうやで。守ってくれる霊が居るって言う事は大切な事やねん。事故とかに巻き込まれる人おるやん。ああいう人には残念やけど守護霊さんが憑いてないねん」


なるほど、そう言う事が有るのか。授業が終わり、私はボクシング部の部室に新子さんと向かった。

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