第204話受験勉強

「わかりました。本格的に医学部を志望するなら今がチャンスよ」


羽生さんが言った。今までの勉強時間では足りないので羽生さんの知り合いが経営している進学塾を勧めてくれた。もちろん、希望した。


学園に登校するとメリッサが門の前で待っていた。


「綾小路さん、何故ボクシング部を辞めるのですか?」


何度も聞かれた言葉だが、私は手を抜かずに答えた。メリッサ、私は医学部志望なの。もっと勉強しなければいけない。だから部活の時間を勉強に割り当てるんだ。


「私、寂しいです」


学校辞める訳じゃないから会いたいなら何時でも教室に来なよ。私は慰めた。そう、いつも私はここに居る。


メリッサが去った後、田野君が来た。


「京子ちゃん、部活全部辞めたんだって?」


田野君は心配していたようだ。部活にも行かずに帰っていた私を見て心配していた。


「そうだよなあ、そろそろ真剣に進路を考えないと」


お昼ご飯をみんなで食べていた時、古沢さんが、


「京子ちゃん、じゃあ一緒に勉強しよう!」


いや、勉強できる環境はできてるから大丈夫だよ。


「なんだ、つまらない」


古沢さんはつぶやいた。


「2年生の春、大切な時期だもんね」


お昼ご飯仲間で円陣を組んだ。


「勉強頑張るぞ!」


おー!と声を出した。すると俺も、私も混ぜてくれと言う人が多くいたのでもう一度円陣を組みなおし、掛け声を出して気合を入れた。


それから受験まであっという間に時間が過ぎた。私は必死に勉強して、体型維持のトレーニングも欠かさなかった。家庭教師の羽生さんの特訓は厳しかった。


「効率の医学部を志望するならこれくらいでも足りないくらいよ」


宿題が羽生さんと塾でかなり多い。毎日こなすので精一杯になった。と同時にオッサンが出てこなくなった。

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