第24話お泊り会 その2
「こんなお肉ですき焼きなんて初めてだぁ」
田中さんは夢中ですき焼きと格闘している。ゆっくり食べてね。
「綾小路さん、ありがとう」
野菜も食べようね。
「はい、はい」
やっと落ち着いたのか田中さんの箸のペースが落ち着いた。
「満足ですっ」
それは良かった。
「この子なかなか素直で良いやん」
オッサンもそう言っているが、本当だと思う。素直に喜び、素直に食べて、素直に楽しむ。田中さんはそういう人なんだ。
「ところで綾小路さん、今高校何年生?」
色々あって来年受験だよ。
「そっか。余計な事聞いてごめんね」
全然気にしてない。むしろ楽しみにしている。
「じゃあ同い年だけど私が先輩だね」
高校生活、色々教えてほしい。
食事が終わり、お風呂に入る事にした。2人でも広すぎるくらいのお風呂場だから問題ないだろう。
「すごいお風呂。広すぎる!」
田中さんはショックを受けているようだった。
「そりゃそうやで。こんなお風呂無いやろ」
オッサン、女子のお風呂。
「わかったわかった、抜けるわ」
オッサンはどこかへ行った。
2人真っ裸で風呂場に入る。ジャグジーがあるが殆ど使っていない。
「背中の洗いっこしよう」
広い背中だね、と田中さんが背中を優しく洗ってくれる。
「広背筋の発達マジ半端ない」
田中さんの私の背中に対する評価だ。今度は私が田中さんの背中を洗う。私に負けず、広背筋が発達している。
「いや~普通普通」
かなり鍛えていないとここまでにはならない。体を洗い流し、二人で湯船につかる。
「本当に広い湯船だなぁ」
田中さんはのびのびと湯船を楽しんだようだ。お風呂を上がって私の部屋に戻った。マットレスが用意されているのはあらかじめメイドさんにお願いしておいたから。
「わっもうこんな時間」
夜の11時30分。田中さんを私のベッドに入ってもらって、私はマットレスを使う。
「あの‥‥綾小路さん、そっちに行って良い?」
聞きながらスルリと私の側に入った。私が田中さんを包み込むような形だ。
「今日はご馳走になったし、色々ありがとう」
いいよ、気にしないで。2人ジムからの帰りだったのを思い出し、眠気に勝てず眠った。
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