第25話お泊り会 その3

朝が来て2人、目が醒めた。食堂で朝食を食べた。父親が居て、田中さんに話しかけている。


「ゆっくりできたかい」


「はい、すき焼き美味しかったです」


きっと田中さんは本心で言ってるんだろうな。父親も社交辞令だろう。


「京子が友達をお泊りに誘ったのは初めてだよ。また良かったら来なさい」


はい、ありがとうございます、と田中さんは言った。朝食を終えて、私の部屋に戻った。まだ時間あるしジムで筋トレはどう?


「家にジムが有るんですか!」


田中さんは驚いた。うん、あるよ。


「昨日食べ過ぎちゃったから汗を流したいです」


田中さんの希望でジムへやって来た。弟が汗を流していた。


「やあ、姉さん。友達とトレーニング?」


こちら同じジムの田中さん。こっちは弟の達也。


「姉をよろしくお願いします」


余計な一言だよ。フリーウェイトも有るから自由に使ってね。


「よしゃ。頑張ろか」


良いタイミングでオッサンが入って来た。田中さんもダンベルをしたいみたいだ。

私はトレッドミル。走ろう。


2時間ほどしたろうか、そろそろ上がろうとなって、2人お風呂に入った。


「綾小路さん、腹筋すごい。もうすぐ6パックですね」


そんなにジロジロ見ない。そう言うと田中さんも素直に謝る。


「えへ。すみません」


昼食までには帰ると言う。遠慮しなくてもいいと思うけど、彼女なりの配慮だろう。駅までの送迎車に一緒に乗った。駅にはすぐ着いた。じゃあまた、ジムで。


「ありがとうございました」


ずっと遠くなるまで見送っている。


「良いお嬢さんですね」


運転手の五十嵐が言った。そう、良い女の子よ。だから危ないかもしれない。


「そりゃ京子ちゃん、取り越し苦労やで。ほな帰ったら筋トレしよか」


オッサンは容赦ない。

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